「ウブド」展
SoHo Art Gallery
Reviews
見たときは思わず息をのんだ。いや、正確には、その流れを聞いてと言うべきだろうか。
かつてキュビズム等で拡散したヨーロッパの抽象技法が、インドネシアへ伝播し、時を経て今回の作家達が伝え育て上げたのが今回の作品だという。
それだからか、伝播の過程で土地の色(感性・感情・風土)が織り雑ざったのだろう。輝かしい色彩では無い中にも強くて鋭い感情が芽生えている。
掲載写真が色彩を欠いているのがあまりに惜しく、私が見たものは、とても自己が何であるかを表現しているように思われた。
Untitledは、絵としてやや弱いが、タイトルのある作品群は、日本では見る機会の減った(あるいはない)作品と言っても過言ではないと感じます。
尤もそれは、昨今の展示においてという註釈ありきの話と言えますが・・・。
しかし、偶然寄って見ることができて好かった。
中々、こういう源流の絵を見る機会が減ったので。