久保圭史 「通り過ぎなかった光景」
大阪ニコンサロン
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タイトルの意味するところは、作者の視界ではなく、感覚を通り過ぎていかなかった光景という程度の意味である。作者が気に入っている撮影行為は、日々の中でなんとなく感覚に引っかかってくる光景を複写していくことだ。そして写真機を持っているときはいつも異邦人でありたいと願っている。その地の人にしてみればいつもどおりのただの見慣れた日常であり、通り過ぎていってしまう光景であっても、異邦人であるときは、それらの光景に違和感を覚えることがある。また、その地の人は、そこには“美”は存在しないと信じ込んでいるかもしれない――つまり、あまりにもこの世界の光景に馴染み過ぎている、あるいは“美の定義”に知らず知らずに啓蒙されているために、多くの“美”を見落としているのではないだろうかと思うからである。作者は思う。定義された“美”から解放されたとき、きっと街の隅々の光景から新しい息吹を受けることだろう。“美の再定義”の下では、“美”の存在比率は世界のどこもそれほど変わらないのだということを知るだろう。光景は平等なのだ、と。カラー60点。
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スケジュール
2007年08月02日 ~ 2007年08月07日