「憧れのヨーロッパ陶磁」展
京都国立博物館
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いつの時代も、人は異国に対して一種の畏れを感じる一方で、強い憧れをもつようです。このところ、高級食器としてのヨーロッパ陶磁が人気を博し、テーブル・コーディネートで活躍している背景にも、おそらくある種の「異国趣味(エキゾチシズム)」があるのでしょう。しかし、日本人とヨーロッパ陶磁との出会いは、そんなにごく最近のことではありません。早くも江戸時代前期から日本人はヨーロッパのやきものを賞翫してきており、その歴史はすでに四百年近くにも及んでいます。
大英帝国がその繁栄を誇ったヴィクトリア女王の時代に活躍した著名な工芸デザイナークリストファー・ドレッサーが選び、日本へもたらしたイギリス陶磁。約百年前にニーダー・シュレジエンのフリッツ・ホッホベルク伯爵から贈られたマイセン・ベルリンなどのドイツ陶磁。それらに加えて、オランダ・フランス・デンマーク・ハンガリーなど、ヨーロッパ各地の魅力的なやきものおよそ百七十件を紹介します。さらに、ヨーロッパ陶磁のデザインの源流となった東洋のやきものや、逆にヨーロッパの影響を受けて作られた日本の陶磁器を通して、洋の東西を超えた文化の相互影響をさぐります。
※特別展示館にて
講座:
※いずれも講堂にて 定員 176名
「万国博覧会とヨーロッパ陶磁」1月19日(土)13:30〜
伊藤嘉章(九州国立博物館企画課長)
「オランダ渡りの西洋陶器とその影響、江戸時代後期を中心に」2月2日(土)13:30〜
岡泰正(神戸市立博物館主幹・学芸員)
「岩倉使節団の見たヨーロッパ陶器、ミントン・セーヴル・ベルリン・ジノリ」2月9日(土)13:30〜
大平雅巳(西洋陶磁史家)
「マイセン磁器の動物彫刻」2月16日(土)13:30〜
櫻庭美咲(九州産業大学COE研究員)
「近代日本が見た西洋陶磁、旧・国立陶磁器試験所コレクションを中心に」2月23日(土)13:30〜
佐藤一信(愛知県陶磁資料館学芸員)
「京都伝来の阿蘭陀焼」3月1日(土)13:30〜
尾野善裕(主任研究員)
【画像:「色絵鳥飼童子像 四大元素の寓意<空気>」ドイツ マイセン 京都国立博物館蔵】
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スケジュール
2008年01月05日 ~ 2008年03月09日
Reviews
遠い昔、フリッツ・ホッホベルク伯爵が、わざわざドイツから陶磁器を贈ってくださったことに感動しました