須田一政 「ニホンノ風景」
大阪ニコンサロン
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戦後、私たちの目標は極めてシンプルなものであった。腹いっぱい飯を食いたい、お洒落をしたい、豊かな暮らしがしたい。誰もがそんな夢の実現にむかって走り続けた。走ることに夢中で自分の足が地面から離れたことにも気付かず、気が付いた時には着地点を見失っていた。仕方がないので年寄りは過去にそれを見いだし、若者はいつまでも浮遊するしかないような、そんな時代になった気がする。作者はかつて「日本の風景」と題した作品を発表した。本展はその延長にあるものだが、イメージの多様化という言葉も使い古された今、作者には作者の前にある風景がまるでイリュージョンのように思える。放射線状に遠のく日本人の心が「美しい国」を振り返るのはいつのことなのだろう。モノクロ45点。
メディア
スケジュール
2007年07月12日 ~ 2007年07月17日
会期中は無休