「京都造形芸術大学大学院油画展」

海岸通ギャラリーCASO

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"過去から未来へと続く絵画の流れの中で、大学にいる自分から生まれる絵画、また、その経験を経たことによって生み出されるそれを、われわれは今「大学絵画」と名付けてみる。絵画を考察する場所として、あるいは、アーティストとして自立していくプロセスに、美術大学の存在は必須ではない。しかし、多くのアーティストがここから生まれて来たのも事実である。"
先に引用したのは、『大学絵画』展(アキバタマビ21 / 3331 Arts Chiyoda、2012年)に寄せられたステイトメントの一部である。本展の参加者もまた、美術大学に属している。さらに言えば、出品者は全員「京都造形芸術大学」の「大学院」で「ペインティング」を専攻する、現役の学生なのである。
つまり彼・彼女らの背中には、「京都」「大学院」「ペインティング」といったような、きわめて重いテーマが不可避的に課せられている(むろんそれらによって社会的なポジションが担保されている場合も、多々あり得るということを忘れてはいけないだろう)。それにも関らず、彼・彼女らはこの現実と深く向き合ってきたと言えるだろうか。どれほど自身が置かれている環境に対して自覚的であっただろうか。
もっとも作品の出来こそがすべてというアートの世界で、こうした問いかけは本来適当でないのかもしれない。教授曰く「作品自体の充実に力を注ぎなさい」。まったく正論である。ただし彼・彼女らが、人生のうちの数年間を「京都造形芸術大学大学院」でともに過ごし、「ペインティング」を学び合ってきた事実は、誰にも枉げられない。そして彼・彼女らが、絵画を考察し続けていく上で、あるいは絵画を実践し続けていく中で、記憶の第一頁になまなましく刻まれた、かつての学び舎の光景を無視して進むことなど、およそ不可能なのではないだろうか。
仮に本展を「西の大学絵画 - 京都造形篇」と位置づけるならば、彼・彼女らに求められるのは、やはり「京都」の「大学院」の「ペインティング」だからこそなし得る"何か"を、周囲に対し提示してみせることに他ならない。そしてこれを完遂するためには、今いちど自らのベースをしっかりと把握し、与えられた能力をきちんと発揮してみせることが何より重要である。
少々己の許容量を超えたっていいだろう。ダサイことも如何わしいことも大歓迎だ。とことんやるのみ。何しろ、それこそが本展における究極の目標なのだから。

[参加作家]
田中幹、小川万莉子、田中愛子、赤松加奈、wang lu、大庭恵実、岡垣慧子、柴田彩芳、中橋多恵子、中間雅美

メディア

スケジュール

2013年09月24日 11:00 ~ 2013年09月29日 17:00

オープニングパーティー 2013年09月28日18:00 から
参加費 無料、16:00 - 18:00までは講評会

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