「森と湖の国 フィンランド・デザイン」展

大阪市立東洋陶磁美術館

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フィンランドは、長くスウェーデンとロシアの支配下にあり、フィンランドで独自のデザインが誕生したのはロシア帝国からの独立を果たした1917年以降になります。独立後の数十年間にインテリア・デザイナーによってその原型が作られ、第二次世界大戦後の復興期に「黄金時代」といわれる奇跡的な発展を遂げました。そこに見られるのは、豊かな自然と独自の文化からとった文様を、様々な素材に応用したことでした。フィンランドの美しい自然と風土は、デザイナーにとって創作の糧となり作品の色や形に溶け込み、また彼らの民族叙事詩である『カレワラ』からは浪漫主義が加えられたのです。
彼らのデザインは、陶磁器やガラスなどの一部門にとどまらず生活全般にわたり、 "timeless design product(時代を超えた製品)"という考えから、生活用品にも洗練されたデザインを求めました。それは、冬の厳しい寒さと短い日照時間のため、室内で過ごす時間が多いフィンランドの人々にとって、日常の生活空間が重要でしたが、そこに求めたものは物質的なものではなく精神的な豊かさだったからです。"フィンランド・デザインの良心"と謳われたカイ・フランク(Kaj Franck、1911-1989)は、初めは家具と染織のデザインを手がけていましたが、後に陶磁器のアラビア社のアート・ディレクターとしてテーブル・ウェアの改革をおこし、イッタラ社でガラスも手掛けました。こうしたデザインの全体性は、フィンランド・デザインの特徴となっています。他にも建築だけではなく、ライフスタイルもデザインしたアイノ&アルヴァル・アールト夫妻(Aaino & Alvar Aalto、1894-1949、1898-1976)などの優れたデザイナーを多く輩出し、特に1950年代から国際的な評価を得て、現在に至ります。
本展は、このようなフィンランド・デザインの魅力を、18世紀後半から現代に至るガラスと陶磁器約150件を中心にご紹介いたします。森と湖の国のデザインが繰り広げる世界をお楽しみください。

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スケジュール

2013年04月20日 ~ 2013年07月28日 17:00

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