世羅拓人 「フィシス」
大阪ニコンサロン
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機械の知覚によって捉えられたこの川の写真には、作者自身が見た事もないような景色が広がっている。たとえ作者がどんな心境だろうと、カメラは撮る者の目の前の現象をただ淡々と捉えていく。捉えられた写真は、作者の思いとは真逆の視界を持ち、作者にその新たな視界を提示してくる。
物事のフィシス(「Physis」ギリシャ語で「あるがまま」の意)を見つけることは何か、と考えると、そこには人の感情や思い入れなどは必要なくなり、機械に与えられた知覚にしか捉えられないのではないか。
作者は新たな体験を求め、この川を遡上し続けてきた。撮り進めると自分と写真との距離感はますます離れていき、その感覚を得ることによってさらにこの川を歩き続けることが出来たのではないだろうか。作者は新たな体験は自分自身が得る体験ではなく、自分が介在せずに、捉えられた写真に写るフィシスによって得ていたのだと考えている。カラー32点。
メディア
スケジュール
2013年09月19日 10:30 ~ 2013年09月25日 15:00