小野淳也 「相槌は残りの歳月に染みを付ける」

大阪ニコンサロン

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作者は祖父の写真を撮っている。祖父は、作者が物心ついたときから、軽い認知症を患っていた。そのせいか、作者には祖父との思い出はほとんどない。そして作者が東京で暮らし始めたことで、祖父との距離はそれまで以上に遠くなった。数年前、作者の身近な人が亡くなった。そのとき作者は無性に祖父のことを知りたくなった。家族なのにお互いのことを何も知らず、わずかな時間を共有することもないまま、二度と会えなくなるのはとても哀しいと思ったからだ。作者と祖父との唯一のコミュニケーションは祖父と一緒に過ごし、写真を撮ることだった。祖父を撮ることで二人の時間を共有し、祖父の記憶を知っていく。祖父は唐突に相槌をうつことがある。それは、作者が祖父を知ろうとすることを受け入れてくれている了承のサインのようであった。祖父との距離は急には縮められない。あとどれだけの歳月が残されているのか分からないが、作者が祖父を知っていくことや、過ごした時間はこれからの二人に染み付いていく。
ゆっくりと確実に、二人は近づいている。カラー約15点。

メディア

スケジュール

2014年06月19日 10:30 ~ 2014年06月25日 15:00

アーティスト

小野淳也

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