インベカヲリ「やっぱ月帰るわ、私。」

大阪ニコンサロン

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「近々、終わらせる予定なのでその前に写真を撮ってもらえませんか?」と言われて、作者はカメラを持って会いに行った。すでに身辺整理された部屋には、処分予定の服や家具が積んである。写真を撮るより先に、まず相手の話を聞く。最近起こったこと、今考えていること、昔の話。「へー、すごいね! 面白いね!」素直に相槌を打っていると、相手もどんどんノってくる。用意されたロープや練炭や製造中止になった入浴剤。「これ、どうやって使うの?」などと聞きながら、世間的とは違う、その子の持っている「普通」に視点を合わす。顔を撮る。衣装を着せて、動きの指示を出し、もっと怒りにみちた目を!と要求したりする。表情を作ったからといって、それが演技であるとは思わない。彼女たちの心象風景は、作者にいったん取り込まれ再構築された世界だ。
「幸せになったら、カヲリちゃんは撮ってくれなくなるんでしょ?」と、ある日、誰かに言われた。そんなことはない。社会へ適用するために擬態した姿を撮りたいわけではないから、自分の言葉で語ってくれる人に興味を持つだけだ。ふり幅のある情緒や、表現したいという自己愛は、女性の色気であると思う。人間とは、その人の持つエネルギーのことだから、顔や体を超えた先にある魂を写したいと作者は考えている。

メディア

スケジュール

2014年03月13日 10:30 ~ 2014年03月19日 18:30
最終日は15:00まで

アーティスト

インベカヲリ

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