「group86/74/65展」
ギャラリー揺
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京都・大阪の3人の作家によって「group81」展が大阪の画廊で開かれたのは2009年である。このグループがユニークだったのは、年ごとに歳を重ねたことだ。翌年の開催では「group82」となり、次は「group83」というふうに。その歳は3人共通の実年齢で、作家たちが歳をとるのにつれてグループ名もトシをとる。作家もグループもトシをとるけれども、作品自体はトシをとらないというのがひそかな自負だった。だが人間そのものはトシに勝てない。2013年開催の「group85」が区切りになった。いつメンバーが欠けてもふしぎでない高齢のグループだから、そのさいは年齢にこだわらず新たな作家をゲストとして迎えるつもりだったのが、この年不意に2人が世を去ったのは、いささか話が違った。だが芸術はトシに負けない。京都・北白川のギャラリー揺で再生の幸運に恵まれたのが今回のグループ展「group86/74/65」である。この三つの数字もメンバーそれぞれの年齢を表している。86は独自の立体造形を追求する陶芸の林康夫で、「group85」からの唯一のつなぎ手となる。74は版画を主に軽妙な表現をつづける中馬泰文。65は同じく版画を基本にしながら立体空間へ視線を導く木村秀樹。いずれも京都在住の作家としてよく知られる。同年齢で横にならんだ大阪のグループ展から、縦につながる京都のグループ展へ。どうぞ北白川へ。