舟越桂 「私の中のスフィンクス」

三重県立美術館

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舟越桂は、今日の日本を代表する具象彫刻家であり、その彫刻は内外で高い評価を獲得してきました。その、大理石の玉眼を使った木彫半身像は、繊細な表情を捉え、静謐で瞑想的な雰囲気を湛えています。それは、なによりもまず、ボディ全体を表現の根幹とする西洋的な規範から距離を置く独自の彫刻の構築でありました。このような肖像性に傑出した舟越の彫刻ですが、一方で、1990年代の半ば頃から、ヤヌスや双頭、山をダブル・イメージさせる体など、異形の姿が頻繁に現れます。舟越は、そこに豊かな意味を包含し、表現の拡充を図りつつ、顔と半身の関係性、全体の統一性といった造形的な課題に取り組んできたのです。さらに、2003年から本格化する裸体像によって、顔に焦点の当たる従来の表現と、ボディを表現の核とする西洋的な規範の両方を統合する方向に進みはじめた舟越が、その試みを集約的に行ったのが、翌年からの「スフィンクス」シリーズです。同シリーズ以降、その異形性についても統合と関係しながらより大きく展開され、より豊かな世界を開示しつつあります。まさに舟越の円熟を示すものといえるでしょう。本展覧会では、以上の流れを踏まえた上で、「スフィンクス」シリーズをひとつの核とし、それ以前からの異形の流れを追い、さらに、最新作も加えて、舟越が追究してきた造形の核心とその魅力に迫ります。

メディア

スケジュール

2016年02月09日 9:30 ~ 2016年04月10日 17:00

アーティスト

舟越桂

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