田中奈津子 「きょうの壺 プレミアム」 展

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2007年に京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了した田中奈津子は、在学中より個展やグループ展などに取り組むなど、現在までに精力的に制作・発表活動を続けています。
当初、身近な日常の中で不意に得たイメージを膨らませ、それらをモチーフに絵画・版画のテクニックを組み合わせた絵画制作を続けていた田中は、2015年より包装紙や広告・カレンダー等を素材として、毎日「壺」の絵を描くことに取り組み始めます。これは、それまでの制作が田中の自由なイメージ・様々なテクニックによるものであったのに対し、壺という制約、日々描き続けるという制約を自身に与える行為であるといえ、田中はこの制作をおよそ1年に渡って続けます。
初期には壺を「描く」意識、絵画としての画面づくりへの意識が強く、また、スピード感を得るためにおもにコラージュ技法を多用していた制作は、筆や手で描いただけの日、自身の作品の切れ端や準備した素材を用いた日、細かなコラージュを重ねた日、ボールペンで走り描いた日など、次第に技法や素材を限定しないものとなり、描かれた画面にはその日その日の変化が多様に現れるようになります。
また、そこからは当初の田中の制作姿勢が「絵画にする」ことであったとするならば、その後の制作はまるで「絵画をする」ことであるように見受けられ、画面の変化は田中の絵画に対する思考やアプローチの変遷として見ることもできます。
自身の感性にのみ頼るのではなく、五感、記憶や経験、感情や体調、身体や道具、時間などのあらゆる要素を手がかりに続けられた「きょうの壺」の制作は、田中にとっていつしか自由を封じる制約ではなく、自分自身にかかっていた制約を検証する機会として、あるいは自身を支える「芯」のようなものとして位置付けられることとなります。
本展では2016年12月半ばから年越しの一ヶ月に渡って、田中が毎日「絵画をした」痕跡である、壺の絵を展示いたします。

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スケジュール

2017年02月21日 11:00 ~ 2017年03月05日 19:00
月曜日は休廊、金曜日は20:00まで

アーティスト

田中奈津子

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