Part-time Suite 「不動産のバラード - The Ballad of Real Estates

Part-time Suite 「不動産のバラード - The Ballad of Real Estates - 」

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アートによる都市への「介入」というフレーズは、すでに使い古された定型表現となりました。2000年代以降における大型国際美術展の流行にともない、都市が抱える社会的問題や、都市に内在する記憶を掘り起こすようなプロジェクトは、現在もなお各地で増え続けています。韓国・ソウルを拠点とするアーティスト・ユニット、Part-time Suiteは、この種の実践の結果として、私たちには何がもたらされたのか、そうした経緯に目を配りつつ、土地と所有に関わる根本的な問題群を、アートとともに思考しようとする作家です。
本展ではまず、彼女たちの近年の映像連作《The Ballad of Real Estates 不動産のバラード》（2015年）と《The Ballad of Real EstatesⅡ不動産のバラードⅡ》（2016年）が紹介されます。Part-time Suiteにとって都市の空間とは、経済活動や社会的対立の帰結であると同時に、それ自体がいくつものレイヤーを持ち、私たちの生活や感情を左右するものとして位置付けられ、重層的な空間の姿を暴き出し、そこに暮らす人々の感情や愛と憎悪を作品に昇華させる彼女らの芸術実践は、類まれなる切実さを獲得しています。あわせて本展では、Part-time Suiteが京都での滞在を通して取り組む新作《TOLOVERUIN トゥーラブルーイン》（2017年）も展示。京都の街をスキャニングし、実在のラブホテルに取材した本作品により、鑑賞者は都市と人間をめぐるより深い思索へと誘われます。本展を通じて、アートによる都市へのアプローチの作法は、新たな広がりと奥行きを明らかにすることでしょう。