大阪のdddギャラリーで只今開催されているデザインコレクション「熱情と冷静のアヴァンギャルド」に行ってきました。
今回の展示では、1920-30年代のモダンデザイン発展期と、1950-60年代のモダンデザイン成熟期の作品が展示されています。
社会の動乱や改革の波の中で夢や理想を追い、デザインを介して新しい社会を構築すること、時代にふさわしい合理性を追求することを目指したデザイナーたちによる作品の数々は、洗練された機能美、ミニマリズム表現の、ある到達点を提示しているかのようです。当時の技術で印刷された大判のポスターが並び、時を経ても色褪せないグラフィックの魅力を放っています。
第一次世界大戦後の変革期に欧州各国で設立されたアヴァンギャルドを標榜するグループやその設立に関わった主要なアーティストによる表現からは、そうした作品の持つ実験的でクールな表現とは対照的に、革命と戦争の動乱期に高い情熱を持つ個性やヴィジョンの数々が勃興し切磋琢磨していた当時の様子をうかがい識ることができます。
平面デザイン、タイポグラフィ等の視覚表現はもとより、デザインと社会の関わりやコミュニケーションとしてのグラフィックデザインに関心のある方にも、今回の展示から大いに得るものがあるのではないでしょうか。