松尾宇人 「Is it Time?『Exposure of time』」

「時間」や空間の意味を考える散歩

poster for Ujin Matsuo “Exposure of Time”

松尾宇人 「Is it Time?『Exposure of time』」

大阪府(その他)エリアにある
アートスペースジューソーにて
このイベントは終了しました。 - (2014-02-22 - 2014-03-23)

poster for “Tokoro - Mizutama Year Long Exhibition”

「『tokoro』展 - ミズタマ年間展覧会 - 」

大阪府(その他)エリアにある
アートスペースジューソーにて
このイベントは終了しました。 - (2014-02-22 - 2015-01-25)

In フォトレポート by Reiji Isoi 2014-03-21

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大阪府、阿倍野区と西成区の狭間に位置するアートスペースジューソーは、最近オープンした「あべのハルカス」を含めた大型ショッピングモールや、観光客で賑わう繁華街「新世界」と目と鼻の距離にありながら、そこだけ時間の流れが停滞しているかのような、下町と昔のたたずまいを遺す築60年の木造アパートの一室です。

そんな独特な場所で、写真インスタレーションという手法を用いて「時間とは何か」を問いかける新たな試みを提示しています。

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作家の松尾字人氏は、美術作品を撮影することは多いものの、自身を写真家とは考えておらず、インスタレーション作家として活動しています。

アートスペースジューソーの代表であり企画をつとめる谷川氏は、松尾氏の空間の捉え方に注目し、写真をテーマにした展示をリクエストしたところ、インスタレーション作品の手法のひとつとして「長時間露光撮影」を用いた写真展示へと至りました。

展示スペースには、約一時間をかけてようやく一枚仕上がる写真群が、グリッド状にずらりと配置され、映像としても上映されています。

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作家の松尾氏は、「見た事のある映画の全体像を思い出すのに、その映画の上映時間をかけて思い出したりしないのはなぜだろう」と鑑賞者に問いかけます。

記憶に残る音や映像を思い出すのに、それらが生まれた時間を省略し「一瞬」で思い出せるのはなぜか。時間の切り取り方、時間の思い出し方を具現化する試みとして、写真は何を記録するのかを捉え直してみるというコンセプトも、今回の展示に込められています。

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また、ガラス窓から採光した部屋に展示されている作品の見え方は、一日のなかでも刻一刻と変化し、時間帯により、鑑賞者は異なる印象を受けることと思います。それは作品のテーマである「時間」と空間の関係性に奥行きを与えています。

都会の喧噪を離れ、「時間」や空間の意味を考える散歩はいかがでしょうか?

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アートスペースジューソーにて同時開催中
mizutama Year-long exhibition /『tokoro』展 – ミズタマ年間展覧会 –
2014.2.22 (土)-2015.1.25(日)毎月第4 土・日 14:00-21:00
次回、3月22(土)23(日)作品リニューアル。

Reiji Isoi

Reiji Isoi . 1978年生まれ。00年代前半より音楽業界を中心に写真の撮影活動を始め、音楽・美術・文芸誌に写真・インタビュー記事等を寄稿するほか、映像撮影・制作の仕事に携わる。仲間と突発的に結成した『宇宙メガネ』からも不定期に発信することがある。各地で起こる皆既日食、米国のバーニングマン、インドのクンブメーラ祭、古代遺跡でのイベントなど、津々浦々で出会う作品や表現者たちとの交流を通じ、森羅万象の片影を捉えようとカメラを携え日々撮り続けている。 http://razyisoi.jp/ ≫ 他の記事

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