BIWAKOビエンナーレ2014

深まる秋に訪れたい、風情あふれる近江八幡の町歩きとアートの融合。

poster for Biwako Biennale 2014 - Utakata (Bubbles)

「BIWAKOビエンナーレ2014 泡沫 - UTAKATA - 」

滋賀県エリアにある
天籟宮にて
このイベントは終了しました。 - (2014-09-13 - 2014-11-09)

In インタビュー by Chiaki Ogura 2014-10-08

今回で6回目を迎える国際展覧会「BIWAKOビエンナーレ2014」が開催されています。テーマは”泡沫〜UTAKATA〜”。国内外から約70作家が集い、14会場で展開されています。展覧会の見所や楽しみ方について、総合ディレクターの中田洋子さんに話を伺いました。

■BIWAKOビエンナーレのこれまでの歩みを教えてください。

初開催は2001年、今回で6回目です。2004年から会場を大津市から、近江八幡市に移しました。最初は関心のなかった地元の方にも、この10年間に次第に認知してもらえるようになり、この度は「ここの2階空いてるよ」と場所の提供の連絡をいただき、14会場まで増えました。

■その他のビエンナーレとの違いや魅力はどこにありますか?

まず言えるのは、町自体の魅力です。近江八幡は、近江商人の発祥の地としても有名で、古い町並みが残る風情のある城下町です。欄間、ふすま絵、釘隠しなど、随所にこだわりのある江戸のイキな文化が感じられる空間には、今の日本が忘れつつある美意識がきちんと残っています。町もきゅっとコンパクト。自然の移ろいの中でアートを感じることができる最高の立地です。私自身、町に訪れる度に、温かさが残る優しい町だといつも感じます。

また、展示について意識しているのは、「空間全体をどう作品化していくか」ということです。日本の美意識に根ざしたBIWAKOビエンナーレという、ひとつのオーケストラをどう大シンフォニーに仕上げるかにこだわっています。ディレクションをする際には、どの場所にどの作家の作風が合うか、自分の頭の中でイメージを作り上げてから作家と場所の選定をします。だいたい私が場所は決めてしまうのですが、最終的にどういう作品を作り上げるのかは、作家にゆだねています。

嬉しいことに、作家はいつも予想以上のものを作り上げてくれます。作家の半分位はレギュラーメンバーで、会場を知り尽くしている方もいるのですが、下見には必ず来ます。作家みんな気合いが入った作品を作るので、作家同士でよい相乗効果が生まれています。BIWAKOビエンナーレは本当に奇跡です。最終的に一番感動しているのは、私自身なのではないでしょうか(笑)作家さんにも恵まれ、本当に有り難いです。

■今年ならではの見所はありますか?

初めて、”まちや倶楽部”という大きな会場全体が加わりました。メイン会場といえるかもしれません。広さはなんと、約1500平米。23作家が入っています。創業300年の歴史があった西勝酒造さんが、2008年に廃業されて、現在は町のコミュニティセンターのようになっているのですが、その大空間の全域を使わせていただくことになったんです。におい、光と影・・・あらゆる五感をフルで使って、作品同士の融合空間を楽しんでもらえたらなと思います。会場は迷路のようになっているので、どうぞ作品のお見落としのないように。

また、山の上の会場もぜひのぞいてみてください。ロープウェイで4分登ってもらえると、二つ会場があり、その周辺にも彫刻やサウンドスケープ作品なども点在しています。村雲御所瑞龍寺門跡は、天皇家の持ち物で、至る所に菊の御紋が入っています。山の上からは、琵琶湖が望めたり、碁盤の目になっている町の様子が見られます。展示会場だけではない、また一つの楽しみかと。ちなみに恋人の聖地らしいですよ(笑)

■一日ですべての会場を廻るためのルートや、ランチ情報などを教えてください!

まず、総合受付の天籟宮にお越し下さい。わかりやすい地図をお渡しします。1-14まで番号順に回っていただいても結構ですが、コツとしては、ロープウェイ下山時刻が5時となっておりますので、早めに上られることをお勧めします。

ランチやカフェも地図に掲載していますが、天籟宮の近くの通りには飲食店が比較的多くならんでいます。日本料理屋の”京料理 宮前”さん、少し離れたところにも、cafeNICOさんというおしゃれなカフェもあります。女子一人でも入りやすいですよ。

会場以外のおすすめアートスポットとしては、”ボーダレス・アートミュージアムNO-MA”さんがエリアの近くにあります。また、同期間に、10月4日〜11月3日までヴォーリズ・メモリアルin近江八幡が開催されています。普段公開されていない場所も公開されるそうです。建築に興味がある方には、たまりませんね。

■おすすめの作家さんや作品を、KANSAI ART BEAT読者にだけこっそり教えてください。

そうですね。旧中村邸の田中誠人さんの作品は、自身が関与することで変化し始めるインタラクティブな作品なので、ぜひお試しください。今回で2回目の参加となる、20代の若手作家さんです。
これから秋が深まっていきます。毎日の天候、朝昼晩で光の入り方で作品や空間が、また違った風に見えたりもします。ゆっくり作品と一緒に過ごしたい場所には、コーヒースポットも用意しています。どうぞ、移ろう四季を感じながら、町と建物とアートを丸ごと感じてください。

__________________________________
BIWAKOビエンナーレ2014 泡沫〜Utakata〜
http://www.energyfield.org/biwakobiennale/

会期:2014年9月13日(土)〜11月9日(日)
定休日:木曜(木曜が休日の場合、振替翌日休み)
会場:近江八幡市 14会場
料金:大人2000円(前売り1800円)、大学・専門・高校生1500円(前売り1300円)

__________________________________

この展覧会はミューぽん割があります。
iPhoneアプリをダウンロードして、東京と関西で開催される展覧会をお得に楽しもう!
詳細とダウンロード

Chiaki Ogura

Chiaki Ogura . 岡山県出身。広告代理店・広報部にて勤め、現在はフリーライター・フォトグラファーとして活動中。ジャンルは幅広く、雑誌やWEB媒体などで執筆。ベンシャーンやアンディ・ウォーホルに感銘を受け、アートの世界に。ギャラリーや美術館の空間をこよなく愛する。作品を目の前にしたときの、右脳がぐらっと動かされる感覚がたまらない。comocomo.cafe ≫ 他の記事

KABlogについて

Kansai Art Beatの運営チームにまつわるニュースをお伝えします。

Facebook

KABlogのそれぞれの記事は著者個人の文責によるものであり、その雇用主、Kansai Art Beat、NPO法人GADAGOの見解、意向を示すものではありません。

All content on this site is © their respective owner(s).
Kansai Art Beat (2004 - 2024) - About - Contact - Privacy - Terms of Use