「Creator Creature Gathering」(はならぁと こあ/生駒宝山寺参道エリア)
奈良県エリアにある
旧たき万旅館にて
このイベントは終了しました。 - (2014-11-07 - 2014-11-16)
「すます - 見えてくるもの 聞こえてくるもの - 」(はならぁと こあ/郡山城下町エリア)
奈良県エリアにある
南大工町の家にて
このイベントは終了しました。 - (2014-11-07 - 2014-11-16)
『はならぁと』は、関西が紅葉シーズンを迎えて賑わい始める11月、歴史ある奈良県内の8エリアを舞台に開催されるアートフェスティバルです。
4回目を迎える今年は、キュレーター制による現代アートの展覧会企画をおこなうメイン会場『はならぁと こあ』(以降『こあ』)と、各地域のまちづくり団体が独自に運営するサテライト会場『はならぁと ぷらす』(以降『ぷらす』)の2つのセクションで構成され、メインとなる『こあ』の開催地は、郡山城下町、奈良きたまち、生駒宝山寺参道の3エリア。
個性豊かなまち並みを散策したり、町家カフェで一息ついたりと、鑑賞の合間にそれぞれの地域の魅力も楽しむことができます。
そんな『はならぁと』の魅力について、今年の構想段階から舵を取ってきたアートディレクターの山中俊広さんに、郡山城下町エリアの会場のひとつ、旧川本邸にてお話をうかがいました。
■「はならぁと」と言えば、奈良を代表するアートフェスティバルですが、目指している方向性や、特徴をお教え下さい。(インタビュアー)
「『はならぁと』が目指しているのは、『まちづくり』活動を進めている地域が、アートと連携して、新たな価値や考え方を見い出すきっかけを創出することです。関西だけでも、毎年多くのアートフェスティバルが開催されていますが、その中には、元気がなくなってしまった地域の『まちおこし』を目的に、現代アートをカンフル剤として活用しているイベントも見受けられます。基本的に『まちづくり』と『まちおこし』は違うのです。」(山中さん)
山中さんは、ただ単に現代アートを展示するという力だけでは地域の活性化は難しいと話します。
「『はならぁと』は実行委員会が主催していますが、メンバー・運営部隊はすべて『はならぁと』が開催される以前から、地域に根差して『まちづくり』を考え、空き家の再生利用などにも尽力してきた、まちづくり団体です。そして『はならぁと』の会場に使われる多くは、いろいろな歴史や背景を持つ建物で、これらは、まちづくり団体が清掃活動を行うなど、地域の財産としてさまざまな方法で守られてきたものです。そして、地域住民たちとキュレーターやアーティストとの活発なコミュニケーションを通じて、現代アートと地域が、対等な立場でひとつの企画を造り上げていくことを目指しています。地域が守り続けてきた歴史とまちの風土に、現代アートが提示する新しい価値観が混ざり合って、『はならぁと』は、今後もさまざまな反応をおこして、まちの新たな財産となるアートフェスティバルになっていくと思います。」(山中さん)
現代アートと地域が協働する姿勢は、今年の『はならぁと こあ』のキュレーターの顔ぶれからも見て取れます。
「今年の4組5名のキュレーターは、奈良出身者や、過去の『はならぁと』参加者など、奈良にゆかりのある方々で構成されています。現在はそれぞれ地域外で活動しており、地元の人々と対話を重ねながら、11月の開催に向けて企画作りを進めています。そして、すでに現代アートの領域で積み重ねてきた実績と経験を活かして、良質の現代アートの展覧会を作ることも、同時に目指しています。奈良が歩んできた歴史や、住民たちの『まち』に対する思いと向き合いながら、アーティストやキュレーターがどのような挑戦を見せてくれるのかにも注目してください。」(山中さん)
■それではここで、『こあ』の4会場とそれぞれの見どころをご紹介!
①「郡山城下町エリア/旧川本邸」(元遊郭)
キュレーター:K+(けいたす)/河内 晋平、窪山 洋子
大和郡山は郡山城の城下町として栄え、藍染や金魚の養殖で知られるまち。旧川本邸では、「記憶」をテーマに写真や映像作品を中心とした4名のアーティストによるグループ展を開催します。建物の至るところで見られる重厚感のある装飾も見応えがあります。
②「郡山城下町エリア/南大工町の家」(元住居)
キュレーター:森山 牧子
同じく郡山城下町の南大工町の家では、東京の原美術館で開催中の「アート・スコープ2012-2014 – 旅の後(あと)もしくは痕(あと)」などの出展で注目を集めるアーティスト、今村遼佑(いまむらりょうすけ)の個展形式による、インスタレーションの展示をご覧いただけます。
③「奈良きたまちエリア/工場跡」(元工場)
キュレーター:衣川 泰典
東は東大寺、北は般若寺。奈良時代には平城京の外京として栄えた奈良きたまちは、様々な時代の建物がまち並みをつくる、まさに時代のモザイク。『こあ』会場の工場跡では、キュレーターの衣川泰典を含めた3名のアーティストによる絵画など平面作品を中心とした展示。このエリアには町家カフェなど点在。ランチやティータイムを楽しむ方にもおすすめのエリアです。
④「生駒宝山寺参道エリア/旧たき万旅館」(元旅館)
キュレーター:村田 典子
『はならぁと』では初の開催エリアとなる生駒宝山寺参道は、生駒駅から出発するかわいいケーブルカーに乗った瞬間から非日常的な気分を味わえます。旧たき万旅館では、「こあ」会場では最多となる、総勢19名ものアーティストが集います。トーチカを始めとする多数のアーティストの展示のほか、ライブやトークショーなども実施されます。鑑賞後は生駒の夜景も楽しんではいかがでしょうか。
さらに今年は、『こあ』の開催エリアを一日で周遊できる週末(金・土・日)限定のバスツアーが催行されます。アーティストといっしょに参加できるワークショップなどの有料イベントやナイトビューイングも会期中に随時開催されるので、今後も公式ホームページの情報をお見逃しなく!今年の開催エリアのマップやイベント情報のみならず、各エリアのランチ情報やこれまで「はならぁと」の歴史や秘話を綴った「はならぁと公式ガイドブック」(税込500円)も旅のオトモにおすすめです。
山中さんをはじめとして、各地域のまちづくり団体と各会場のキュレーター、そしてアーティストが奈良に対する真剣な思いを共有しつつ、着々と準備が進められている2014年『はならぁと』。大仏やシカといったステレオタイプなイメージとはまた違った、奈良の新しい魅力を発見しに、それぞれの『まち』へ出かけてみてはいかがでしょうか。
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「奈良・町家の芸術祭 はならぁと2014」公式ホームページ
http://hanarart.jp/
【開催概要】
会期:2014年11月7日(金)~24日(月・祝)
[はならぁと こあ] 2014年11月7日(金)~16日(日)
[はならぁと ぷらす] 2014年11月7日(金)~24日(月・祝)
・郡山城下町、奈良きたまち、生駒宝山寺参道:11月7日(金)~16日(日)
・田原本寺内町: 11月8日(土)~9日(日)
・御所まち: 11月9日(日)
・五條新町: 11月15日(土)~16日(日)
・今井町: 11月15日(土)~23日(日)
・八木札の辻: 11月20日(木)~24日(月・祝)
開場時間:10:00~17:00(※一部の『ぷらす』の会場は異なる場合がございます)
『こあ』『ぷらす』、無料でご覧いただけます。(有料のワークショップやイベントを除く)
【ライター】
谷仲恵美:初めてランドアートを見たときに人生観が変わるほどの衝撃を受け、広報関係の会社を退職後はアートに関わる仕事を求めて現在活動中です。
渡辺千尋:兵庫県生まれの瀬戸内海育ち。大学院でフランス近代美術を研究中。現代のアートマーケットの仕組みに関心があり、アートとサッカーをこよなく愛しています。