”妖怪”について、どれだけご存知でしょうか?妖怪研究者として著名な湯本豪一氏の、約3000点を越えるコレクションの中から選抜された作品が、この度グランフロント大阪北館ナレッジキャピタルに集結。絵巻から貴重な妖怪のミイラなど、他では見ることのできない資料ばかりです。妖怪文化の広がりと裾野の広さを体系的に知ることができるコレクション展となっています。
展示会場は、2つの章に大きく分かれています。”妖怪とはいったい何者なのでしょうか?”その問いに答えるべく、1章には、妖怪が描かれたさまざまな展示が並んでいます。
妖怪の姿を伝える様々な資料のうちで、最も古いものが”絵巻”です。江戸時代になると、木版印刷の発展の恩恵を受け、妖怪文化が飛躍的に広がりました。錦絵や版本に描かれることによって、より身近な存在となり、やがて双六やカルタなどの”遊び”のなかにも妖怪が登場するようになっていきます。
実際に、東京日々新聞や大阪錦絵日々新聞などでは、日常に起こる怪奇現象を妖怪や幽霊がおこしたものとして具体的に報道しています。昔の人々の、天変地異や災害、疫病といった自然に対する畏怖や心の不安を、具現化したものが”妖怪”なのかもしれません。
2章では、人魚や河童などの実際には存在しないとされている、幻獣のミイラなどが展示されています。落雷とともに現れるといわれる雷獣や、黒い羽毛に覆われた体で自在に飛翔することができる伝説上の烏天狗などは、古来から人々の信仰の対象でもありました。見世物用に作られたという三頭龍のミイラ、栃木県産の猫人魚など、これらの幻獣は、日本古来の文化や民俗学とも深く関わってくると考えられています。
今回の唯一のシャッタースポットでもある、公式キャラクター「くだん(件)ちゃん」(この「件」は、怪異蒐集家の木原浩勝氏が所有されているものです)人間の顔に牛の体をもち、人間の言葉を話す妖怪です。生まれて数日で死ぬが、歴史に残る大凶事の前兆として生まれ、数々の予言をし、凶事が終われば死ぬとされています。「件の如し」という決まり文句も、この妖怪が由来となっているという説もあるそうです。
妖怪にまつわる物語は、「怖い」だけではなく、日本古来のエンターテインメントでもあります。古来から多くの人々を魅了しつづけてきた妖怪と幻獣の存在を体系的に感じることができる、これとない機会になりそうです。
__________________________________
【概要】
妖怪幻獣百物語
期間:2014年10月24日〜 11月30日
会館時間:12時〜20時 (土日祝 11時〜19時)
会場:グランフロント大阪 北館ナレッジキャピタル イベントラボ
http://kudanchan.jp
__________________________________