「イメージの力ー国立民族学博物館コレクションにさぐる」

私たちの中に眠るイメージの力を解き放て!

poster for The Power of Images—The National Museum of Ethnology Collection

「イメージの力 - 国立民族学博物館コレクションにさぐる - 」展

万博記念公園エリアにある
国立民族学博物館にて
このイベントは終了しました。 - (2014-09-11 - 2014-12-09)

In フォトレポート by KABlog 2014-11-14


私たち人間は、長い歴史の中で、心に浮かぶさまざまなイメージにかたちを与えてきました。世界のありかたにかたちや色を与えて視覚化することは、人間に与えられた資質のひとつといえます。このイメージのつくり方や受けとめ方に、人類共通の普遍性はあるのでしょうか?

2014年2月〜6月に東京の国立新美術館で6万人もの観客を動員し話題を呼んだ「イメージの力ー国立民族学博物館コレクションにさぐる」展が、大阪の国立民族学博物館で開催中です。会期も後半に入り、観に行こうか迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、耳寄りな情報を交えながら3つの見どころを紹介します!

<みどころ1>博物館と美術館による異色のコラボレーション企画!

国立民族学博物館と国立新美術館の共同企画による本展では、「イメージのつくり方や受けとめ方に、人類共通の普遍性はあるのか?」という壮大なテーマに挑みます。展示内容は4つの章とプロローグ、エピローグで構成されており、好奇心をくすぐる展示物は、国立民族学博物館が所蔵する約34万点のコレクションの中から選び抜かれた約600点。かなりのボリュームですが、目で見て楽しめるものばかりで最後まで飽きのこない内容です。

キャプションからは用途などの情報が省略され、視覚的な印象を優先して鑑賞するしくみになっています。目の前の展示物が何の目的でつくられたのか、何をイメージして形づくられたのかを想像するうちに、つくり手や使い手の精神の奥底まで遡ることができるかもしれません。

<みどころ2>キーワードをもとに「イメージの力」の奥深さを体感できる!

本展では時代や地域で展示スペースを分けるのではなく、「神」「時間」「光」「色」「高み」といったキーワードで構成されています。例えば、上記写真の「高み」にスポットを当てたスペースでは、オーストラリアやカナダ、日本、インドネシアなどでつくられた背の高い造形物が立ち並びます。地域による個性の違いはありながら、どれも鑑賞者が空高くを見上げるようなかたちをしています。これは「高み」、つまり「他界」や「異界」と地上界とをつなごうとするイメージの造形が、文化の違いを超えて世界に広く分布していることを示しています。

このように、それぞれのキーワードをヒントに鑑賞をすすめていくと、普段は気にとめていなかった「もののかたち」に新たな面白さを発見できるかもしれません。

<みどころ 3>展示物を間近で見られる。写真撮影も可能!

なんと、展示スペースには停止線やロープがないので、展示物を間近で見ることができます。造形の細部や質感まで、見れば見るほど興味が湧くものばかり。嬉しいことに写真撮影も可能です(フラッシュ撮影不可)。アーティストの方が制作の参考に写真を撮影していくこともあるそうですよ。

[8]生命の樹アップ

また、視覚的に鑑賞を楽しむだけでは物足りない!という方のために、展示物の詳細情報を検索できる「デジタルビューアコーナー」が設けられています。展示の後半は、イメージのつくり方にとどまらず、かたちを与えられたイメージがどのように利用されていくのかに焦点が当てられます。ここからは単に視覚的に楽しむだけでなく、展示の主旨を理解した上で鑑賞を進めていくことで、民族学や文化人類学ならではの視点から世界全体をとらえることができるのではないでしょうか。

期間中はギャラリートークやワークショップも多数開催されます。約1万点もの資料群を地域ごとに展示した本館の常設展示もお見逃しなく!
さらに、11月15日(土)、11月16日(日)は無料観覧日です。この機会にぜひ国立民族学博物館に足を運んでみてください。

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「イメージの力ー国立民族学博物館コレクションにさぐる」
会場:国立民族学博物館
会期:2014年9月11日(木)〜12月9日(火)水曜日は休館
時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
http://www.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/special/20140911power/index

【おすすめの関連イベント】
 第3回 特別展関連トークイベント「イメージの力」
日時:11月29日(土)13:30~15:00 ゲスト:いしいしんじ[小説家]
音楽、デザイン、小説の各界で活躍する3名のトップクリエイターが生み出し、たわむれ、表現する、そのイメージの力に迫ります。

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[KABライター]
谷仲恵美 megumi yanaka
1984年生まれ。同志社大学経済学部卒業。広報関係の会社に6年間勤務し、オフィシャルブログやホームページの仕事に携わる。その他セミナー講師なども経験。退社後はKansai Art Beatにインターンとして在籍。その後、芸術が人生を豊かにしてくれると信じ、作品と鑑賞者の出会いの架け橋となれる活動に注力している。

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