忌野清志郎展~手塚治虫ユーモアの遺伝子~

漫画の神様からロックの王様へ

poster for Kiyoshiro Imawano - The Osamu Tezuka Humor Gene

「忌野清志郎 - 手塚治虫ユーモアの遺伝子 - 」 展

兵庫県(その他)エリアにある
宝塚市立手塚治虫記念館にて
このイベントは終了しました。 - (2014-10-31 - 2015-02-20)

In フォトレポート by Reiji Isoi 2015-01-23

ロックシンガーとして有名な忌野清志郎の絵画の展示が、手塚治虫記念館にて開催されています。本展示は3部構成で、ミュージシャン、アーティスト、手塚治虫ファンとしての忌野清志郎に迫ります。

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第1部では、キング・オブ・ロックと称されるミュージシャンとしての忌野清志郎が紹介されています。レコードジャケット、ポスター、ツアーグッズ、さらにはステージ衣装等が、ライブ会場を模した空間に臨場感いっぱいに展示されています。頭上に設置されたモニターから在りし日のロックミュージシャン忌野清志郎の姿が映し出され、いまも多くのミュージシャンに歌い継がれる彼の楽曲が流れるこのコーナーでは、写真撮影も許可されています。ファンのみならず、訪れた人を魅了するエンターテイナー忌野清志郎の世界観を鑑賞できます。

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第2部では、画家としての忌野清志郎に迫ります。幼少期から「画伯」とあだ名されるほど絵を描くのが好きで、一時は本気で美大への進学を考えていたそうです。ミュージシャンとしての活動を始めてからも、ファンクラブ会報誌やアルバムジャケットの表紙、自らの衣装の生地のために絵を描くなど、約500点に及ぶ作品を描きました。学生時代のノートに書き溜めた漫画作品や、音楽活動の節目となる時期に本格的に描かれた油画の他、生涯を通じて数多くのスケッチを遺しています。小学生の頃から晩年のものまで、忌野清志郎の描いた数多くの絵が一同に展示されています。学生時代の授業中や、ライブステージの合間、病床など様々な場面で、忌野清志郎が物心ついてから晩年に至るまで、ライフワークとして絵を描き続けていたことがわかります。

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第3部では、手塚治虫ファンとしての忌野清志郎がテーマです。本人同士、直接接点はなかったものの、それぞれの表現を通じ継承された想いが紹介されています。マンガ少年だった忌野清志郎は、小学生の頃に、手作りの漫画雑誌を持って近所にあったタツノコプロに見せに行くほどだったそうです。

ある日大好きな漫画家手塚治虫が発刊した「マンガの描き方」を手にして、その通りに描いてみたが上手くいかずに挫折したというエピソードも伝えられています。ミュージシャンになってからも描き続けた忌野清志郎のスケッチやイラストの中からは、手塚治虫からの影響が見受けられます。なかでも「ブラック・ジャックは見なくても描ける」と言う程に思い入れがありました。以前に、東京で同氏の絵画の個展が催された際に、手塚治虫の長女るみ子氏が、忌野清志郎の描いたブラック・ジャックの絵画を目にし、手塚治虫記念館でも展示したいと申し出たのが、今回の展示に至るきっかけとなったそうです。

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また、今回の企画展のプロデューサーである手塚るみ子氏が父との思い出を綴ったエッセイ集「オサムシに伝えて」のあとがきのために、忌野清志郎氏が寄稿したメッセージも紹介されています。そのなかで、清志郎が手塚治虫記念館のブラック・ジャック展に足を運び、あこがれの漫画家の直筆の原稿を目の当たりにした時の感想とともに、「俺はカブトムシとオサムシの子供みたいなもんさ」という言葉で、子供の頃から、ビートルズと手塚治虫が自身のヒーローであったこと、さらに手塚作品について「俺も生き方にまで多大な影響を与えてもらったんだ」とストレートな想いを述べています。

このコーナーで紹介されている作品やパネルから、平和を愛し戦争に対する強い抵抗を、影響力のある立場になってからも発信し続ける姿勢、そしてどんなときにもユーモアを持ち続けようというメッセージが、ジャンルの異なる表現者の間で世代を超えて受け継がれていることがわかります。

漫画の神様からロックの王様に受け継がれたユーモアの遺伝子を実感できるこの貴重な展示に、是非足を運んでみてはいかがでしょうか?

開催概要:
手塚治虫記念館開館20周年記念
忌野清志郎展 〜手塚治虫ユーモアの遺伝子〜


開催期間:2014(平成26)年10月31日(金)〜2015(平成27)年2月20日(金)

休 館 日:毎週水曜(2月11日は開館)
詳細:http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/tezuka/

入館料
*大人:個人700円:団体(10人以上)560円
*学生(中学生・高校生):個人300円:団体(10人以上)240円
*小人(小学生)個人100円:団体(10人以上)80円

Reiji Isoi

Reiji Isoi . 1978年生まれ。00年代前半より音楽業界を中心に写真の撮影活動を始め、音楽・美術・文芸誌に写真・インタビュー記事等を寄稿するほか、映像撮影・制作の仕事に携わる。仲間と突発的に結成した『宇宙メガネ』からも不定期に発信することがある。各地で起こる皆既日食、米国のバーニングマン、インドのクンブメーラ祭、古代遺跡でのイベントなど、津々浦々で出会う作品や表現者たちとの交流を通じ、森羅万象の片影を捉えようとカメラを携え日々撮り続けている。 http://razyisoi.jp/ ≫ 他の記事

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