「フエゴ諸島諸先住民の魂 ―セルクナム族、ヤマナ族、カウェスカー族」展
京都市中京区エリアにある
京都市役所前広場にて
このイベントは終了しました。 - (2015-04-18 - 2015-05-10)
「All that’s not me - 私じゃないわたし - Supported by GUCCI」展
京都市中京区エリアにある
花洛庵(野口家住宅)にて
このイベントは終了しました。 - (2015-04-18 - 2015-05-10)
今年もこの季節がやってきました。KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭は、京都を舞台に開催される国際的な写真祭です。日本や海外の作家や貴重な写真コレクションが、趣のある歴史的建造物やモダンな近現代建築の空間に展示され、京都ならではの特徴ある写真祭となっています。15カ所の会場に、計9カ国14組の作家が参加しています。
今年のテーマは「TRIBEーあなたはどこにいるのか?」。「TRIBE」とは、”部族”といった意味を持ちます。しかし、この場での「TRIBE」とは、血縁や土地といった先天的な繋がりのみを示すのではなく、個人同士の価値観で結ばれた関係やインターネットなどのコミュニケーション・メディアによって生み出された現代人特有の関係性も含んでいます。写真によって記録されたさまざまな「TRIBE」を鑑賞することで、「自分が属しているTRIBE」について、自分自身に問いかける機会となりそうです。
KYOTOGRAPHIEの魅力に挙げられるのは、京都の伝統的な空間や通常は公開されていない歴史的建造物を楽しめるところ。創業400年の国の登録文化財である嶋臺ギャラリーでは、フランシス・ウルフの撮影したニューヨーク・ブルーノート・レコードの写真が展示されています。マイルス・デイヴィス、アート・ブレーキーなど、名だたる演奏家たちの傑作を世に送り出してきたモダンジャズの名門、ブルーノートでライブやレコーディング写真を撮り続けてきたウルフ。写真から、50-60年代のニューヨークの音楽シーンが浮かび上がってきます。
建仁寺内にある両足院は通常一般公開していない禅院で、その書院や茶室が展示会場となっています。ここで展示されているのは、榮榮&映里(ロンロン&インリ)による「妻有物語」。テーマである”生命の流れ”を表すため、作品は引染のように空中に流した巻物の上に展示され、庭園の緑に囲まれた大きな池を見渡せるよう配置されています。中国人の夫と日本人の妻というユニットであるのも、中国の影響を色濃く受けてきたこの禅寺の歴史とも呼応しています。作品のもつ豊かなイメージがこの場の力で引き出され、観る者の心を静かに揺さぶります。
村上重ビルの地下で展示されているのは、ボードワン・ムアンダによる”コンゴの紳士たち、「サプール」の美学”。世界的に注目されるコンゴのファッショニスタ、サプールは、サップと呼ばれるファッションを楽しむ人々を意味しています。サップとは、50-60年代パリのエレガントな紳士や、英国のダンディズムを手本にしたファッションのこと。1960年代の西アフリカとヨーロッパに渡った移民たちの間に広まったそうです。重視されるのは、ファッションだけでなく、道徳や非暴力、言論の自由などを尊重する精神であり、それらが備わってはじめてサプールと認められるのです。
期間中には、これらの14会場での展示の他に、市内各所のギャラリー・カフェ・教育施設などの約50会場で、国内外の若手作家展を中心としたサテライトイベントKG+なども開催されています。
また、スペシャルナイトイベントとして、ナイトミュージアムの開催も決定しました!懐中電灯などを使って、暗闇のなかで貴重なパタゴニアの民族の写真が観られます。会場は、市役所前広場に設置された坂茂氏による紙管パヴィリオン。今までとは違った角度から、展示作品を楽しめる機会となっています。
「写真」を通して見られる、14種類の「TRIBE」を全て見終わった後、様々な”個性”に対する理解がきっと生まれてくるはずです。写真は、私たちの社会や日常に不可欠なメディアである一方、芸術表現としても大きな可能性を秘めています。京都が最も美しくなると言われるこの初夏のゴールデンウィーク。京都の町並みを楽しみながら、写真の可能性を感じてみませんか。
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【概要】
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2015
期間:2015年4月18日(土)〜5月10日(日)
会場:京都市内各所・15カ所
http://www.kyotographie.jp/2015portal/map
公式サイト:http://www.kyotographie.jp
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