世界のアート系人気Instagramアカウントまとめ vol.2

日常とInstagram-世界のアーティストたち

In 特集記事 by KAB Interns 2015-09-16

アートやファッション、ビジネスなど、SNSがどの文化にも欠かせないツールになりつつある現代。その中でも特に注目されるInstagramは、私達にとっても、そしてアーティストたちにとっても非常に身近なツールになってきています。今回は、Instagramを利用する世界的アーティストたちを紹介します。

A photo posted by Yoko Ono (@yokoonoofficial) on

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アメリカを拠点に芸術活動や音楽活動を盛んにおこない、ビートルズのボーカル、ジョン・レノンの妻として知られる世界的アーティスト、オノ・ヨーコのアカウント。80歳を超えてもなお若々しくエネルギッシュな彼女は、いまだ注目を浴び続けています。Instagramでは自身の写真を頻繁に公開しており、きまってハットを被っているシルエットが印象的です。

A photo posted by Damien Hirst (@damienhirst) on

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「生と死」を作品の主題とし、動物の死体を用いるなど独特の作風で知られるイギリスのアーティスト、ダミアン・ハースト(Damien Hirst)のアカウント。彼の作品は一度見たら忘れることのないショッキングなヴィジュアルのものばかり。それらはかなりの高額で売買されるため、過去に彼は芸術家の長者番付で1位となったこともあるほどです。Instagramには、これまでに制作された作品の写真を細かなキャプションとともに数多く投稿しています。

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サイトスペシフィックなインスタレーション作品で知られる、デンマーク出身アーティスト、オラファー・エリアソン(Olafure Eliasson)のチームによるアカウント。約90人で構成されるスタジオ・オラファーエリアソンでは、彼の実験的な作品制作に携わる研究者やデザイナーなど、多くの人々が活動しています。Instagramではエリアソンの作品のみならず、彼らの日々の活動や旅先の景色などを垣間見ることができます。

A photo posted by Ai Weiwei (@aiww) on

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中国を代表する現代アーティスト、アイ・ウェイウェイ(艾 未未)のアカウント。大規模なインスタレーション作品や建築作品の共同制作と、様々な分野で活躍する一方で、四川大地震に対する中国当局の対応へ抗議するための、反体制的なプロジェクトなどでも知られています。Instagramでは共に活動する人々の写真が多く、息子さんとの写真など、微笑ましい一面も見られます。オフィシャルウェブサイト

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ポーランド出身のアーティスト、アガタ・オレクジーク(Agata Oleksiak)のアカウント。あみぐるみやカーディガンなどを編む方法として一般的に用いられる、”かぎ針編み”の編み物を作品にする彼女。Instagramでは、まるで絵本の世界のようにカラフルな作品の写真が多く投稿されています。編み物から感じられる生活感や温かさと、彼女のファンタジー溢れる造形とのギャップは、なんともインパクトがあります。

2次元のアートマーケット?

他のSNSとは異なり、言葉よりもヴィジュアルが優先されるからこそ、世界中の誰もが気軽に利用できるInstagram。芸術鑑賞はアート好きな人たちの趣味、美術館はそんな人たちだけが集まる場所。そんな風にどこか遠いものとして考えていたアーティストやアートとの距離感を、簡単に縮めてしまえることが、Instagramの人気の理由なのかもしれません。

さて、こうしてアート業界にも変化を巻き起こしつつあるInstagramですが、実はこれがアートを「観る」だけのツールにとどまらず、アートを「買う」ツールにも成長しつつあることをご存知でしょうか?

事の発端は、デンマークのアート・コレクター、ピーター・イブセン氏がコペンハーゲンの自宅にてInstagramをチェックしていた時のこと。ちょうどベルギーのブリュッセルではアートフェアが開かれており、フェアに出品されている作品の写真がInstagramに投稿されていました。それを見た彼が投稿に称賛のコメントを書き込んだところ、作品を所有するギャラリーから連絡があり、その30分後には作品の購入に至ったというのだから驚きです。しかし、このような例は今では珍しくありません。

#unpacking #rehang

A photo posted by Peter Ibsen (@pibsen) on


ピーター・イブセン氏のアカウント(新しい作品を自室に置いた様子)

イギリスにおける調査では、過去3年以内にアートコレクターになった人々の半数以上が、新たな作品の傾向調査や実際の作品購入に、Instagramを利用していることが知られています。イブセン氏自身も、「ひと昔前であれば私がこの作品を見つけることはなかったでしょう。私はブリュッセルにも居なかったし、この作品を買う機会もありませんでした。」と語っています。

あくまでInstagram上でのやりとりであり、直接作品を目の前にしないという不透明性からか、高額な作品はそうそう取引されません。とはいえ、若手アーティストの新たな情報発信の場として、かなりの影響力を持っているとのこと。そのあまりの影響力の大きさに、作品をみせる場が気軽に持てるという利点だけでなく、”Instagram上で見栄えする作品”を作らなければならないというプレッシャーを抱くアーティストもいるのではないか、との懸念もあるようです。

私達の知らぬ間に、作品にもアーティストにも、こういったSNSの影響は広く及んでいます。本来プライベートなものとして発達したはずのSNSは、いつの間にか知らないもの、新しいもの、遠くのものをすぐに取り込めるツールへと変化していきました。個々人のプライベートな生活と、最新のファッション、見知らぬアーティストの絵画が小さな画面上で氾濫する現代。Instagramは私たちとアートとの距離感を縮め、身近につなげる存在となりうるのでしょうか。

参考URL:
http://mashable.com/2015/06/14/instagram-invest-art/
https://www.artsy.net/article/elena-soboleva-how-collectors-use-instagram-to-buy-art

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上野綾香:京都生まれ京都育ち。大学にてアートプロデュースを専攻。多ジャンルの音楽とエンターテイメントから芸術に興味を持ち、趣味含めディズニーランドを研究中。

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