六甲ミーツ・アート 芸術散歩2015

11月23日まで!六甲山一帯で自然とアートを一緒に楽しむ

poster for Rokko Meets Art - Art Walk 2015

「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2015」

神戸市エリアにある
六甲ガーデンテラスにて
このイベントは終了しました。 - (2015-09-12 - 2015-11-23)

In フォトレポート by Chiaki Ogura 2015-09-30

11月23日まで、六甲山上で開催されている六甲ミーツ・アート 芸術散歩は、今年で6回目。六甲山の各観光スポットを巡りながら、秋から初冬にかけてうつりゆく六甲山の自然と共に、アートを体感できるイベントです。11カ所の会場で展示されているのは、現代作家31組の作品35点。作家たちが六甲山を訪れて感じたもの、リサーチの上見つけたことを元に、自由な表現の場となっています。 そのため多くの参加作家は、開幕まで六甲山上の宿舎で寝泊まりし、時間をかけて作品を仕上げたそうです。

今年、初の会場の仲間入りを果たしたのは、旧六甲オリエンタルホテル。1934年に開業し、おしまれつつ閉鎖した当ホテルは、神戸の夜景が一望できる名門のリゾート施設として知られていた場所です。

このホテルの窓をピンク色で鮮やかに彩ったのは、原高史氏。六甲山にゆかりのある方にインタビューをして作り上げた物語を、イラストと共に描き起こしています。

旧六甲オリエンタルホテルと同時に、建築家安藤忠雄氏の設計である「風の教会」も8年ぶりに一般公開されています。この教会は、北海道占冠(しむかっぷ)村の「水の教会」、大阪府茨木市の「光の教会」とともに安藤忠雄氏による教会三部作とされ、今も建築ファンの関心を集めています。

八木良太氏の『Echo of Wind』は、教会の空間をひとつの音響装置と捉えてスピーカーを各所に設置。リズミカルに響き渡る拍手の音が、教会内のコンクリート壁に美しく反響します。

緑の芝生や池が広がり、六甲山の木々と緑に囲まれたレジャー施設の六甲山カンツリーハウスには、9作品が出そろっています。池に面して置かれている進藤篤氏の『小さな塔』は、初期のカメラの原理を利用した作品。磨りガラスレンズを覗き込む高さによって、見える景色が変化します。

高山植物園としては、日本で最も長い歴史を誇る六甲高山植物園。ここでは、北海道の南部と同じくらいの気候を生かし、高山植物を中心に世界の寒冷地植物、六甲山自生植物など、約1500種が栽培されています。
斉藤隆太郎(DOG)+東大計画系研究室は、整然と並んだ木立に白い農業用のネットを数メートル垂らした作品『0.90nのゆらぎ』を展示。その中をくぐっていると、森という大自然にいる自分の存在自体が揺らぎ始めるような感覚に陥ります。


園内の池の空間を活用したのは、趙 旴离さん。空を側に持ってきたいという思いから製作した作品『空の池』は、六甲の木々の葉の間から覗き見える空の形を鏡に型抜き、池に浮かべています。

19世紀〜20世紀初頭に作られた西洋のシリンダーやディスク・オルゴール、オルガンなどが展示されている、自動演奏楽器を中心に集めた博物館「六甲オルゴールミュージアム」。
音楽と刺繍でこの空間をアレンジしたのが、青山悟氏。作品『オルゴールミュージアムと近代の亡霊たち Musical Box Museum and Modern Ghosts』は、ウィリアム・モリスの遺した楽曲「Death Song」を音楽家の平石博一氏の編曲により現代に蘇らせ、その楽譜を青山氏が工業用ミシンで刺繍作品に仕上げています。

六甲ケーブルを降りてすぐの天覧台では、宿題工作展の『スーパー大宇宙〜宇宙で見つけたものを工作しなさい。』の展示が行われています。


六甲山は、UFOの目撃談が多いという情報からテーマ設定をしたという、イラストやデザインの各分野で活躍しているソラミミストの安齋肇氏や漫画家のしりあがり寿氏などクリエイター9名によるものです。”宿題には添削がつきもの”という発想から、作品それぞれに対して、講師によるユーモアのあるコメントがついています。

そのほか、会期中にはパフォーマンスも開催されます。六甲・ミーツアートの楽しみ方は、アートだけではありません。ケーブルカーに乗って六甲山に登ること、山から見下ろす神戸の景色や夜景、緑の中で感じられる澄んだ空気と自然の音・・・アートのみのイベントでは味わえない魅力です。秋から初冬にかけて変わっていく季節の変化に合わせて、作品の見え方感じ方も変化します。ぜひ、何度も足を運んでみてください。

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【概要】
六甲ミーツ・アート 芸術散歩2015
開催期間:2015年9月12日(土)~11月23日(月・祝) ※会期中無休
開催場所:六甲ガーデンテラス
自然体感展望台 六甲枝垂れ
六甲山カンツリーハウス
六甲高山植物園
六甲オルゴールミュージアム
六甲ケーブル
天覧台
六甲有馬ロープウェー(六甲山頂駅)
旧六甲オリエンタルホテル・風の教会
グランドホテル 六甲スカイヴィラ
[プラス会場] TENRAN CAFE

※「グランドホテル 六甲スカイヴィラ」は9月23日・11月18日を除く水曜休館、
この他臨時休館する場合あり
※プラス会場「TENRAN CAFE」の作品鑑賞はカフェの利用が必要

開館時間:10時~17時
※受付終了時間は各施設により異なります
※会場により21:30(土日祝は22:00)まで鑑賞できる作品があります
※「旧六甲オリエンタルホテル・風の教会」は11時~16時(入場受付 15:40)
観覧費:5つの有料会場をお得に巡る事ができる観賞チケットを発売
当日券:大人1,850円、小人930円 / 発売期間:2015年9月12日(土)~11月23日(月・祝)

※中学生以上は大人料金、4歳から小学生は小人料金
※本券で「自然体感展望台 六甲枝垂れ」「六甲山カンツリーハウス」「六甲高山植物園」「六甲オルゴールミュージアム」「旧六甲オリエンタルホテル・風の教会」への入場が可能です。(六甲ケーブルおよび六甲山上バスの運賃は含まれていません)

公式サイト:
http://www.rokkosan.com/art2015
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Chiaki Ogura

Chiaki Ogura . 岡山県出身。広告代理店・広報部にて勤め、現在はフリーライター・フォトグラファーとして活動中。ジャンルは幅広く、雑誌やWEB媒体などで執筆。ベンシャーンやアンディ・ウォーホルに感銘を受け、アートの世界に。ギャラリーや美術館の空間をこよなく愛する。作品を目の前にしたときの、右脳がぐらっと動かされる感覚がたまらない。comocomo.cafe ≫ 他の記事

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