浅葉克己個展「アサバの血肉化」

「デザイン生活60年、卓球生活40年、習字生活20年」。巨匠アサバデザインの力を、京都dddギャラリーで。

poster for Asaba’s Assimilation: Katsumi Asaba Exhibition

浅葉克己 「アサバの血肉化」

京都府(その他)エリアにある
京都dddギャラリーにて
このイベントは終了しました。 - (2016-01-15 - 2016-03-19)

In トップ記事 フォトレポート by Chiaki Ogura 2016-01-30

京都dddギャラリーにて、国内外で信望の厚いアートディレクター・浅葉克己氏による「アサバの血肉化」展が開催されています。ggg(東京)での「ASABA’S TYPOGRAPHY.」、CCGA(福島)での「浅葉克己ポスターアーカイブ展」を経て、今回に至ります。

アートディレクターとして、日本の広告デザインの歴史に残る数多くの作品を制作してきた浅葉克己氏。代表的な仕事には、西武百貨店「おいしい生活。」、サントリー「夢街道。」、キリンビバレッジ「日本玄米茶」パッケージデザインなどが挙げられ、一度は目にしたことのある広告も今回の展示で一部見つけることができます。また、中国・麗江に古来から伝わる生きている象形文字「トンパ文字」に造詣が深く、約20年前から惹かれ続けており、様々な作品の中にもタイポグラフィとして活かされています。

展覧会タイトルにもなっている、印象的な”血肉化”という言葉。これは、日本美術の伝統と現代デザインをつなぐキーワードとして、美術史家・山下裕二氏が提唱してきた「血肉化」という概念に浅葉氏が共鳴したことからきています。また、日本美術の芳醇な養分を血となり肉となるように活かしてくれる若いデザイナーたちが、どんどん育って欲しいという想いも言葉の中には含まれています。

「私は、言葉を大切にしています。タイポグラフィやデザインの魅力は、伝える力が強いところ。言葉が通じなくても世界中の人が伝えたいことが理解できるツールになりうるからです。トンパ文字も元はと言えば、絵に由来しているもの。だからこそ見た人に、感覚として伝わりやすいのかもしれません。これからの時代、国際的な共通言語を模索する重要性が強まっていると感じます。その中でも漢字文化圏である日本・中国・韓国は、習字で書くことで共通しているので、より共通言語としてのタイポグラフィを活用できる可能性を感じています」と浅葉氏。

展示会場内には、古今東西の文化や様式を取り入れて、それこそ”血肉化”された浅葉氏のパワー溢れる作品たちがそれぞれ熱気を放っています。浅葉氏の次から次へと湧き起こる、尽きることを知らない創作への探求心から生み出されているのでしょう。この空間に一歩足を踏み入れて、アサバデザインのパワーを感じて、自分自身のクリエイティブに活かしてみてはいかがでしょうか。

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【概要】
浅葉克己個展「アサバの血肉化」

会期:2016年01月15日(金)~03月19日(土)
会場:京都dddギャラリー
〒616-8533 京都市右京区太秦上刑部町10
時間:11:00〜19:00(土曜は18:00まで)
休館日:日曜・祝日
会場連絡先:075-871-1480
入場料;無料
URL:http://www.dnp.co.jp/gallery/ddd/
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Chiaki Ogura

Chiaki Ogura . 岡山県出身。広告代理店・広報部にて勤め、現在はフリーライター・フォトグラファーとして活動中。ジャンルは幅広く、雑誌やWEB媒体などで執筆。ベンシャーンやアンディ・ウォーホルに感銘を受け、アートの世界に。ギャラリーや美術館の空間をこよなく愛する。作品を目の前にしたときの、右脳がぐらっと動かされる感覚がたまらない。comocomo.cafe ≫ 他の記事

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