立誠シネマプロジェクト

元・小学校で観る、学ぶ!「写真×映画」特集上映中

In フォトレポート by KABlog 2016-03-24

たくさんの人でにぎわう四条河原町から歩いてすぐ、木屋町通りを高瀬川に沿って三条へ進んでいくとある元・立誠小学校。1928(昭和3)年に建設され、築80年以上が経過する洋風建築の建物が独特の雰囲気をかもし出しています。

学校が1993(平成4)年に閉校した後は、自治会の行事やイベント拠点などとして活用され、地域に親しまれてきました。南校舎3階教室を改築した特設シアター、「立誠シネマプロジェクト」がオープンしたのは、2013(平成25)年のこと。実はここ、「日本映画原点の地」と呼ばれている場所でもあるんです。なんでも「最初の映画」とされている「シネマトグラフ」を発明したリュミエール兄弟が、はじめて日本での試写実験に成功したのが、この地だったんだそうな。

アーチ型の素敵な玄関を抜けると、1階の元職員室では「Traveling Coffee」が営業中。中庭を眺めながら、やわらかい光が差し込むレトロな空間で至福のコーヒータイムが楽しめるおしゃれスポットです。映画鑑賞の前に後に、佇むのにももってこい。映画上映後のトークイベントがこちらで行われることもあり、学校全体を使ったワクワクする仕掛けも立誠シネマの魅力のひとつです。

シネマがあるのは、木造の廊下を抜け、3階へと上がったレッドカーペットのその先。こんなところで本当に映画を観られるの?!と驚く人も多く、受付ロビーはいわゆるシネコンのようなハイテク(?)な雰囲気とは無縁。黒板に書かれた上映情報や、手作りのタイムテーブル表、学校時代の名残りを残した机や椅子など、温もりが感じられる空間が広がっています。

そんな「立誠シネマプロジェクト」では現在、「写真×映画」をテーマとした気になるドキュメンタリー3作品を上映中です。

miraiwomnazoru

1本目は、『未来をなぞる 写真家・畠山直哉』。世界的に活躍する写真家・畠山直哉。東日本大震災で実家を失い、母親を亡くしてしまう。以降、故郷・陸前高田の風景写真を撮り続けている2年間に寄り添ったドキュメンタリー。彼の作品がどのようにして生まれているのか、彼が震災とどう向き合ってきたのか、その眼差しの先を追う。

2本目は『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』。ある若者がオークションでわずか380ドルで手にした大量のネガ・フィルム。その写真をブログにアップしたことをきっかけに驚異の才能が世界と出会う。その後発売されたヴィヴィアン・マイヤーの写真集は全米No.1を記録。生涯1枚の写真も発表することがなかった彼女のミステリアスな生涯に迫ったドキュメンタリー。

THEE MOVIE

3本目は『ミッシェル・ガン・エレファント “THEE MOVIE” LAST HEAVEN 031011』。2003年に解散したロックバンド「ミッシェル・ガン・エレファント」の解散ライブのステージと舞台裏を中心に、貴重な未公開映像で彼らの軌跡をたどった音楽ドキュメント。そしてさらにさらに、3/24(木)~4/3(日)の期間中、元・立誠小学校で開催される澁谷征司さんによる写真展『そこで見てる ミッシェル・ガン・エレファント ラストへブン展』が同時開催! 2階の教室を使った展示会とあわせて映画の世界に浸ることができます。

映画を観る楽しさは一言ではなかなか伝えにくいもの。でも、“立誠シネマで映画を観る”ということは映画を観るという特別な瞬間がたくさん詰まっているような感じがあります。ロビーの窓から見える校庭の様子に、ふと思ってもみなかった感情が浮かんだり。こんな雰囲気に満ちた、センチメンタルにも浮かれ気分にもなれる場所で、映画を観ることはなかなかない体験です。とにかく、一度訪れてもらえれば、その魅力が分かってもらえるはず! 春には高瀬川沿いに桜が並んでキレイだそう。映画を観たり、写真を眺めたり、春の陽気にまんまと誘われてぜひ、ふらりと出かけてみてください。


立誠シネマプロジェクト
京都市中京区備前島町310-2(木屋町蛸薬師下ル)
元・立誠小学校 南校舎3階
TEL:080-3770-0818
http://risseicinema.com/

★展示情報詳細はこちら
「そこで見てる ミッシェル・ガン・エレファント ラストへブン展 澁谷征司
期間:3月24日(木)~4月3日(日)13:00~20:00
入場料:500円(★映画鑑賞券とセットになったチケット1,500円がお得です)
会場:元・立誠小学校
http://www.akaaka.com/events/ev-160205-tmge.html

【KABlogライター】
ヤマザキムツミ 埼玉県出身。東京生活を経て、現在は京都在住。ライターを中心に、編集とときどきなぜかデザイン仕事も受けたり。最近は豆苗の栽培と鴨川での佇みが楽しみな日々。主なしごとは、『美術屋・百兵衛』(麗人社)でコラム「となりのアートさん」を連載中。CINRA.NETや旅雑誌などで取材・執筆をさせていただいております。映画好きによる映画のためのフリーペーパー『KODOMONO-HI』も気まぐれに刊行中。http://kodomono-hi.jimdo.com/

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