山滴る、甘党市2016

つくって食べて見て、和菓子を一日でまるごと堪能!

In インタビュー by Chiaki Ogura 2016-06-13

京都市内の元・立誠小学校で、来たる2016年6月19日(日)に、新世代の和菓子店や老舗の甘味処がつくる”和風の甘いもの”が並ぶ、「山滴る、甘党市2016」が開催されます。昨年の初開催時には想定以上の人が集まり、行列ができる店舗まで出たというこのイベント。今年は、元・立誠小学校に場所を移し、参加店舗数も増えたというから期待は膨らみます。実行委員会は、西川葵さん(うめぞの)、堀部美奈子さん(元・日菓)と、大久保加津美さん(bgm gallary and shop)、松永大地さん(ポケッツ、bgm gallary and shop)という、自他ともに認める甘いもの好きの4名。今年の見どころなどについてお話を伺いました。

 


 
ー甘党市を始められたきっかけは何でしょうか?

 

堀部さん:「和菓子屋さんが集まるイベントって面白そうじゃない?」と西川さんと盛り上がったのが発端です。私は昨年まで日菓という和菓子ユニットとして活動していたのですが、10年程前から新しい和菓子のお店や、若手の作り手が増えてきた感覚がありました。けれど、横の繋がりが全くないということを同時に寂しく感じていたんです。

西川さん:惹かれるお菓子に出会った時に、”作っている人と話してみたい”とか、”実際に食べてみたい!”と思うことが多くて。こんなの美味しかったよと、和菓子に関わっている人同士が繋がり合い、情報交換できる場にしたいと考えました。そこで、他業界で活躍しギャラリー運営をされている大久保さんと編集者の松永さんを誘って、いまのような形で運営することになりました。それぞれの守備範囲も違うため、役割り分担も上手くできていると思います。


 

 

ー昨年開催してみて、何か感じたことや発見はありましたか?
 
大久保さん:和菓子屋さんが、イベントを通じて色んな人と繋がりたいと考えて、参加したいと積極的に行動を起こしてくれたことが、新鮮に感じました。和菓子の世界でも、そういうアクティブな作家さんがいるんだなって。

西川さん:京都のご近所でお菓子屋さんをやっていても、面識のない方も多かったりもするんです。甘味処は甘味処、餅菓子屋は餅菓子屋と、扱うものによって組合が細かく分かれていたりするので。だからこそ、”和菓子の市”ではなく、幅を広げて”甘党市”としたことで、垣根を越えてコミュニケーションを取ることができました。あと、同じ事業体の人がたくさん来てくれたのも嬉しかったですね。老舗のお菓子屋さんも、興味を持って足を運んでくださって、元気づけられました。
 


 
ー和菓子の面白さって、なんでしょう?
 
堀部さん:和菓子って、ぱっと見、なんだかわからなし、ネーミングも説明的ではないですよね。たとえば、洋菓子だと、○○のいちごのせとか、マンゴーの○○とか素材の名前がつきがちですが、和菓子の場合は、”水無月”。何それってなりますよね。でも説明をされると、食べる人の頭の中に、情景が浮かぶ。食べる人の見方や知識にも影響されて、和菓子に風情を感じることができると思うのです。それは和菓子の面白さですよね。季節と世界観まるごと楽しむというか。ちなみに、水無月を洋菓子風に言うと、多分、”小豆のせういろう”みたいな感じでしょうか。
 

 
ー今年の楽しみどころを教えていただけませんか?
 

 
松永さん:座って食べられるように、イートインスペースを作りました。付随してお茶屋さんもお呼びしています。食べるだけではない楽しみもできればと、器や本など和菓子にまつわる物販ブース、和菓子の古道具や和菓子店のパッケージなどの展示スペースも設けています。facebookページでそれぞれのお店の紹介コメントも更新しているので、見てみてください。

堀部さん:昨年大行列になった”おやつ職人 まっちんさん”が通常お店で販売していないわらびもちを、特別に持ってきてくださいます。”鍵善良房”さん、”亀屋良長”さんや”千本玉壽軒”さんなどは、甘党市オリジナルの生菓子にチャレンジしてくださっているそうです。予約が取れなくて人気の”和菓子サロン一祥”さんの、ワークショップも開催。陶器作家の”藤田美智”さんがつくる、”饅頭喰い人形”もキュートな仕上がりになりそうですよ。たった一日ですが、内容盛りだくさんです。和菓子を作っている方や興味がある方は、ぜひ作家さんと直接話したりして、新鮮な感覚を得てもらえる場になれば嬉しいです。
 

 
和菓子の魅力は、その形と彩、そして何よりも季節感です。梅雨の時節を感じながら、和菓子をほおばれる絶好の機会。入場した方には、甘党市読本&ご近所和菓子マップもプレゼント!今回買いそびれたお店には、これを見ながら足を運んでもいいかもしれません。甘党の方も、そうでない方でも、いろんなインスピレーションを受けて、それぞれの楽しみ方が見つかりそうです。別腹を空かせて、さあ急げ♩

 
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【概要】
『山滴る、甘党市2016』
日程:2016年6月19日(日)
時間:11:00〜16:00
場所:元・立誠小学校(京都市中京区蛸薬師通河原町東入備前島町310-2)
料金:入場料500円(甘党市読本&ご近所和菓子マップ付き)
URL:http://amatouichi.com

【参加和菓子店】甘味こしらえ しおや(石川)、UCHU wagashi(京都)、うめぞの CAFE&GALLERY(京都)、御菓子丸(京都)、おやつ職人 まっちん(岐阜)、鍵善良房(京都)、亀屋良長(京都)、鶴屋吉信 IRODORI(京都)、あめんぼ堂(京都)、黒船(東京)、Crochet(京都)、千本玉壽軒(京都)、蒼穹(京都)、大国屋(静岡)、ニセコ松風(北海道)、まほろ堂 蒼月(東京)、丸亀町おみやげものプロジェクト委員会(香川)、森のおはぎ(大阪)
出店その他:木と根(京都)、今宵堂(京都)、すすむ屋茶店(鹿児島)、誠光社(京都)、たつみ茶園(奈良)、辻徳(京都)、藤田美智、豆花(香川)、和菓子サロン一祥(京都)
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Chiaki Ogura

Chiaki Ogura . 岡山県出身。広告代理店・広報部にて勤め、現在はフリーライター・フォトグラファーとして活動中。ジャンルは幅広く、雑誌やWEB媒体などで執筆。ベンシャーンやアンディ・ウォーホルに感銘を受け、アートの世界に。ギャラリーや美術館の空間をこよなく愛する。作品を目の前にしたときの、右脳がぐらっと動かされる感覚がたまらない。comocomo.cafe ≫ 他の記事

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