広がるWebデザイン vol.1

– GIFアニメの世界 – 日本最大級のGIFアニメコンテストより

In KABからのお知らせ 特集記事 by KAB Interns 2016-08-10

スマートフォン、タブレット、PCなど、マルチデバイス対応が求められる昨今、広告デザインは多種多様な機種でも再生できることが求められています。HTMLをサポートしていれば、どんな機種でも再生できるGIFアニメーションはその魅力を再発見され、世界中で見ることが多くなってきました。GIFアニメーションはWebページ、バナー広告などでも幅広く使われ、専用アプリなどで手軽に作成できます。昨年にはAdobeとGIFMAGAZINEがタッグを組んで実施した日本最大級のGIFアニメコンテストが開催されるなど話題を呼んでいます。

※GIFアニメとは
1987年に誕生し、1989年にアニメーションや透過の機能が付け加わりました。GIFとはGraphics Interchange Formatの略式で、連続した複数の画像を繋ぎ合わせた動く画像ファイルのことを言います。音声ストリームを持たず、使える色数に制限があるなどの欠点もありますが、GIFの性質である、「短編」「ループ」「クリックレス」がスマートフォンの特性にマッチしたことから、再び見直されるようになりました。

[参照記事はこちら]

Vol.1では、GIFアニメコンテスト「The GIFs – Award of Gif creator – 2015」でのエントリー作品の中から、受賞した優秀作品や、私インターン生のAiがピックアップした作品と、GIFアニメに関連するアプリを紹介します。

Kaito Mizuno「SHIGUSA」


uploaded by Kaito Mizuno on GIFMAGAZINE

この作品は「The GIFs 2015 -Award of Gif Creator-」で、それぞれの部門で選考委員から最も高い評価を得た作品に送られる賞最優秀賞を受賞したKaito Mizunoさんの作品「SHIGUSA」です。女性が髪を耳にかける仕草を延々と繰り返すGIFアニメーションです。審査員の奥下和彦さんは選出の理由として「非常にシンプルなオブジェクトのみで構成されていて、赤く正方形にトリミングされた中で、これほど丁寧に女性らしさを表現するだけでなく、GIFアニメのループの気持ちよさが表現できていたこと」と語っておられます。審査員全体でも短いループ、シンプルだからこそにじみでる味わいが表現できているとの声があがっていました。

瀬川三十七「【動く浮世絵】特等席」


uploaded by 瀬川三十七 SEGAWA Atsuki on GIFMAGAZINE

優秀賞を受賞された瀬川三十七さんの作品「【動く浮世絵】特等席」。葛飾北斎の作成した代表的な風景画、富嶽三十六景 東海道吉田をもとに制作しています。瀬川さんは、GIFアニメーションを使いさまざまな動く浮世絵シリーズを制作し、「見て見て、0系よ。と不意に立ち寄った茶屋から見る0系新幹線は、格別に素敵なものです。旅人は新幹線という文明に頼らず徒歩で次の宿場を目指します。」と、おかしみのある表現で作品について語っています。江戸時代の浮世絵から観た現代文明という、時間軸の逆転を短い一コマで表現し、良い意味で日本画の印象を一転させ新たな日本画の可能性が感じられるような気がします。

室木おすし「ときどきネコを見せてくれる英雄」


uploaded by 室木おすし on GIFMAGAZINE

インタラクティブ賞を受賞された室木おすしさんの作品です。女性らしいピンク色を背景に、マントを羽織った英雄の男性が黄色いオーラのようなものを放ちながら、背後にいる猫をちらりと見せるというシュールなシチュエーション。制作時間は2時間という短時間で制作されたそうです。室木さんはイラストレーターとしても活動されており、その他にもインパクトの強い作風のGIFアニメーションが多数エントリーされていました。
本作品についてお伺いしたところ、「英雄なのにさらにときどきネコまで見せてくれて、お得だな。と、お得感を感じてくれればいいと思ってます。中世ギリシャらへんの英雄だと思います。ネコはそこらへんにいたネコで名前もないようなネコです。英雄の飼い猫でもなんでもない野良猫の予定なので、恩着せがましい英雄という見かたもできます。」と、語ってくださりました。

あなーきー「face-japan」


uploaded by あなーきー on GIFMAGAZINE

日本の文化を象徴するおかめ、般若、ひょっとこ、寿の4つの顔が面白おかしく変化する作品となっています。通常は無表情であるはずのお面が動き出すことにより、違った印象を受けます。表情の作り方が日本らしい、ユーモアー溢れる作品となっています。

yoshikawa 「形態と風景」


uploaded by theGIFs on GIFMAGAZINE

こちらの作品は、2014年に開催されたThe Gifsの出展作品です。ランドリーの写真とイラストを掛け合わせたところがとても斬新に感じます。色鮮やかな液体状のものが空中を浮遊し、とてもポップな印象を受ける作品です。

Kaneko Yuji「country house tapes」


uploaded by Kaneko Yuji on GIFMAGAZINE

同じイラストが交互に入れ替わるシンプルな作品。フォントや筆の質感などが違うだけで、2つの画像の印象が大きく変化しています。シンプルだからこそ2枚の雰囲氣の違いがより伝わってきます。

このようなGIFアニメーションは、専用アプリなどで手軽に作成できることができます。そこで、すぐにスマートフォンなどで使えるGIF専用アプリをいくつかご紹介します。

「GifMov」

GifMovは写真やバースト写真、動画からGifを作成・保存することができるアプリです。

「LivePix」

LivePixはライブ写真を部分的に編集して動画やGIFアニメに保存する事ができます。ライブ写真の再生速度を上げたり、逆再生したり、より楽しい動画が作成することができます。

「GIFトースター」

GIFトースターは1秒あたりのプレースピードやフレーム数などが調節でき、ビデオやタイムラブスをGIFに変換することができます。

「Tumblr」

Tumblrは主にWeb上の画像、動画、記事を自身のブログにて引用するなどの機能を使った画像共有サイトで有名ですが、GIFアニメーションも作成することができます。

「The GIFs – Award of Gif creator – 日本最大級のGIFアニメコンテスト」は、昨年に続き、今年も開催が決定しました。8月3日〜11月8日の23:59分までが応募期間となっています。日本でもGIFアニメーションがますます話題になる事が期待されます。来年のエントリー作品もぜひチェックされてみてはいかがでしょうか。

[Aiあとがき]

このような限られたフレーム数や時間などを駆使して、同じ動作を永遠に繰り返すGIFアニメーションは、動画のような長い時間で見る事ができる物とは別の面白さがあります。
企業などの広告ツールとして使用されたり、一般から企業まで幅広く使われているSNSなどで、自らのアイデアで生み出したGIF作品を共有することによって、より幅広く拡散できることから、今回のリサーチにおいて、インターネット上でますます広がる可能性を感じることができました。スマートフォンで気軽に見れるGIFアニメは、見る側を一瞬で引きつける力があり、今後、どのように展開していくのか期待ができるツールと言えます。

[KABインターン]
遠山亜依: KABインターン生の最年少として大阪から参加。小学生の頃に図書室で見た西洋画の本を見たことをきっかけに美術に興味を持ち始める。現在はインターン生と仕事との二足の草鞋を履きながらアートについて学んでいる。

[インターンプロジェクト]

本企画はKansai Art Beat(以下略KAB)において、将来の関西のアートシーンを担う人材育成を目的とするインターンプロジェクトの一環です。インターンは六ヶ月の期間中にプロジェクトを企画し、KABのメディアを通して発信しています。

KAB Interns

KAB Interns . 学生からキャリアのある人まで、KABの理念に触発されて多くの人達が参加しています。2名からなるチームを6ヶ月毎に結成、KABの中核といえる膨大なアート情報を相手に日々奮闘中!業務の傍ら、「課外活動」として各々のプロジェクトにも取り組んでいます。そのほんの一部を、KABlogでも発信していきます。 ≫ 他の記事

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