NIFREL1st Birthday Party「生きものとアートの出会い展」

1月23日まで。色鮮やかなアーティスト作品と動物達のコラボレーション!

In トップ記事小 フォトレポート by Chiaki Ogura 2016-12-31

5人のアーティストが「NIFREL(ニフレル)」の1st Birthdayをお祝いする「生きものとアートの出会い展」企画展示が2017年1月23日まで開催されています。ニフレルとは、大阪にある世界最大級の水族館「海遊館」がプロデュースする、水族館と動物園と美術館の要素が融合した新しいミュージアム。「見て・触れて・感じる」といった、人間の五感を刺激するようなインスタレーションを多く用い、生きものと空間を共有する体験型の空間づくりによって、生きものと自然の魅力を、直感的に楽しめる工夫がなされています。

施設は、生きものの個性や特性をニフレル独自の視点によって切り取った、7ブースに分かれています。今回の展示は、その内の5ブースを5アーティストによって空間とコラボレーションするという企画。アーティストが自らニフレルに足を運んで感じた躍動感や感動が、作品を通して自由に表現されています。

1、 artist OHGUSHI ー いろにふれる

生きものが持つ自然の色がテーマの「いろにふれる」では、13台の円形の水槽でカラフルな魚たちが展示されています。ここで展示を行うのは、独自の水彩技法で美人画や粒子などを描く、鮮やかな色彩が特徴的なOHGUSHI氏。実際にこの空間に泳いでいる、カクレクマノミや、アケボノハゼなどの魚が、巨大なカーテンに大きく描き出されています。また、時間の経過とともに部屋の照明が七色に変化していく仕掛けがなされているのも特徴的。水槽は全て蓋がなく、横から上から、360度から見ることができます。館長自らがダイビングで体験した時の沖縄の海の美しさ、そして、自然光の揺らぎと魚の鮮やかな色の融合を表現したいとこだわった演出です。

2、 artist ピュ〜ぴる ー わざにふれる

”水を噴く、砂に隠れる、まわりと同じ色に変化する”といった、生きものたちのオリジナリティあるれる「わざ」に注目した空間です。個性的な特殊技能を持った魚達が、様々に異なる水槽で暮らすこの空間に、 裁縫やニッティングを繰り返しコスチューム制作をするピュ〜ぴるさんの大型ニット作品が展示されています。人の内面を表面化させた、赤・黒・ピンクのボーダー柄の人型ニットに、ヒトデやエビなど海の生き物のイメージを追加してニフレル仕様にアレンジしています。元々始めからこの空間にあったかのような、違和感のなさに驚きます。

3、Papercut artist 早川鉄兵 ー すがたにふれる

暗闇に美しく浮かび上がる水槽の中で泳ぐ、不思議な「すがた」をした生きものたち。空間に鏡を設置することで、光のドットが無限に続く印象的なインスタレーションとなっています。切り絵アーティスト 早川鉄兵氏の作品が展示されているのは、ミノカサゴなど不思議な姿をした魚達が泳ぐ水槽の中。作品の題材とされた魚の背景に置かれています。元から特徴のある魚に早川氏の視点が加わることで、さらに愉快な視点が作品に盛り込まれ、繊細かつ大胆な水槽が完成しています。


4、illustrator 100%ORANGE及川賢治 ー みずべにふれる

2m級のホワイトタイガー、全長3m以上のイリエワニ、そして世界三大珍獣のミニカバといった大型生物がいる、ニフレルのメインともいえるフロア。水辺の環境に適応してきた、大きな生きものたちの暮らしを目のあたりできる、「みずべ」のゾーンです。動物それぞれ愛称がつけられていたり、ねぼすけだったり、人見知りだったり、、それぞれの個性に、100%ORANGE及川賢治氏は注目。動物たちの個性をイラスト化して、より愛着が湧くようなキャラクターを創り出しました。自由に色を塗ることができる参加体験型のホワイトタイガー塗り絵も、100%ORANGE仕様になっています。

5、Photographer市橋織江 ー うごきにふれる

モモイロペリカンが大きな羽を広げて飛んだり、ワオキツネザルたちが頭上を俊敏に飛び回ったり、様々な生きものたちが、自由気ままに「うごき」まわる世界をすぐそばで感じられる空間です。ここで実際に撮影を施したのは、 Photographerの市橋織江さん。広々とした空間で、自由に飛び回る動物たちの姿の凛々しい一面を、フィルムカメラで捉えています。優しく独特な色合いで表現された写真は、大型の窓から光を浴びるように空中に展示されています。

その他、常設展も充実しています。「WONDER MOMENTS」は、 吹き抜けの大きな空間に、直径5メートルの球体と床に映像が浮かび上がる光のインスタレーション。自然現象の美しい瞬間を切り取った映像が投影されています。「つながりにふれる」ブースには、壁と床、2面のスクリーンで迫力のある立体的な映像があり、大スクリーンでニフレルの世界観を表現した、オリジナル映像が鑑賞できます。

ニフレルの魅力がよりパワーアップされている、この「生きものとアートの出会い展」期間。足を運んだことのない人は、ぜひこの機会に合わせて行かれるのがベストですよ。

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【概要】
NIFREL1st Birthday Party「生きものとアートの出会い展」
日時:2016年11月18日〜2017年1月23日
営業時間:10:00~20:00(最終入館時間:19:00まで)

当日入館料:
(ニフレル入館料のみです)
大人=1,900円
小中学生=1,000円
幼児(3歳以上)=600円
公式サイト:https://www.nifrel.jp/cp/onenifrel/

Chiaki Ogura

Chiaki Ogura . 岡山県出身。広告代理店・広報部にて勤め、現在はフリーライター・フォトグラファーとして活動中。ジャンルは幅広く、雑誌やWEB媒体などで執筆。ベンシャーンやアンディ・ウォーホルに感銘を受け、アートの世界に。ギャラリーや美術館の空間をこよなく愛する。作品を目の前にしたときの、右脳がぐらっと動かされる感覚がたまらない。comocomo.cafe ≫ 他の記事

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