第2回「Kyoto – Kunst – Köln 京都-美-ケルン」アート展

アートを通した国際交流の形

In トップ記事小 フォトレポート by Makoto Hamagami 2017-05-16

現在、第2回「Kyoto – Kunst – Köln 京都-美-ケルン」アート展が、国際交流会館にて開催されています。この展覧会は、姉妹都市である京都とドイツのケルンの文化交流の一環として2016年にスタートし、その時は京都のアーティスト11人の作品がケルンにて展示されました。そして2017年、会場を京都に移し、今回はケルンから5名のアーティストが参加し、昨年ケルン展に参加した日本人アーティストの作品と同じ空間で展示されています。

ますますグローバル化が進む今日の社会において、国際交流は様々なジャンルで行われていますが、アートによって国際交流を行うことにはどのような意義があるのでしょうか? 京都・ケルンという姉妹都市の交流の様子から、アートを通した異文化交流の形について考えました。

はじめに京都・ケルン両都市について触れておくと、京都とケルンの姉妹都市協定は1963年に成立し、それ以来50年以上にわたって人やアイデア、文化など様々な面での交流が行われています。このふたつの都市は、それぞれ長い歴史を持ち、まちの中心を川が流れ(鴨川 / ライン川)、その周辺地域が発展を遂げてきた、という共通点を持っています。また、京都・ケルン共に、古くから国際都市として世界中の人々が訪れることで、内からの文化だけでなく、外から入ってくる文化の影響を多分に受け、それらを交錯させながら伝統を継承させてきました。特にケルンはフランス、ベルギー、オランダとの国境が近く、近年ではドイツ東部に比べて難民問題にも積極的に取り組んでいるなど、人の往来が非常に活発であり、多国籍都市としての存在感が今日ますます強まっていると言えます。

そのような背景のもと、今回の展示コンセプトのキーワードとなっているのが「ハイブリッド」という言葉です。この展覧会において、この言葉は「多種多様の人々」という意味で使われており、人々やモノが流動的で変化し続ける社会の中で、様々な民族が互いの文化を受容し混ざり合い、発展させていくという、今現在の両都市の姿を反映しています。そして、今回出展するケルンのアーティストの作品は、書、油絵、デッサン、インスタレーションと様々であるだけでなく、ケルン在住アーティストらの文化的ルーツもまた、ユダヤ人、フランス人、ドイツ人と多彩です。このこともまた、ケルンの「今」を映し出すかのようです。

展覧会初日にはオープニングパーティーが開催され、両国の参加アーティストや美術関係者、そして作品を鑑賞しに来た人々が一同に会しました。アーティストたちが作品を囲みながら、自分たちのこと、制作過程のこと、お互いの国やアートに関することについて話をする姿が多く見られ、多種多様な人々がアートを介してひとつの場所に集い、互いの歴史や文化を知り合おうと語らっていました。京都とケルンの作家同士が互いのアイデアや技法について熱心に話す様子からは、今後もこの展覧会が続いていく中で、あるいはまた別の場所で新たなコラボレーションが生まれていく可能性を感じました。

京都とケルン、ふたつの都市が互いの刺激を感じながら創作し、ひとつの場所で発表する。この展覧会は、姉妹都市間の国際交流展という役割だけでなく、様々なバックグラウンドをもつ作家同士の交流や、来場者と作家の出会いの場として、とてもインタラクティブな場であると感じました。また、会場内では日本語・ドイツ語・英語など様々な言語が飛び交っていましたが、アートという「共通言語」によってなされるコミュニケーションが、確かに展示空間の中に存在していたと思います。

 オープニングの様子を伺う中で、本当の意味での交流、本当の人間的なつながりというものは、個人的な対話によって互いに様々なことを分かち合おうとする努力から生まれるものであり、その輪をどんどん広げていくことで、都市と都市、国と国がつながりを持ち始めるのではないかと感じました。「Kyoto – Kunst – Köln 京都-美-ケルン」アート展では、そのような貴重な機会をオープンに設けており、今後も京都・ケルンにて毎年交互に展覧会を開催する予定だそうです。「国際交流」というまた別の視点をもって、ぜひアート作品を見に足を運んでみてはいかがでしょうか?

【開催概要】
第2回 京都-美-ケルン アート展
会期:2017年5月9日—21日(月曜休館)
開館時間:11:00-19:00(最終日16:00まで)
場所:京都市国際交流会館
〒606-8436 京都府京都市 左京区粟田口鳥居町2−1
http://kyotokunstkoeln.net/

Makoto Hamagami

Makoto Hamagami . 1992年三重県生まれ。大学時代を京都で過ごし、美学芸術学及びアートマネジメントを学ぶ。その後、チェコのアートスタジオに勤務。現在は京都にて多様な背景をもつ人々と協働しながら、芸術、言語、社会とその周辺について、プロジェクト、ワークショップ等の企画・コーディネートを行っている。神戸大学大学院国際文化学研究科在籍。 ≫ 他の記事

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