北加賀屋のアート発信拠点である、MASK(MEGA ART STORAGE KITAKAGAYA)。1,000㎡もの広さのある鋼材加工工場・倉庫跡地であるこの場所では、大型現代アート作品を収蔵しています。毎年恒例となっている一般公開イベント「Open Storage2017」が、11月3日〜26日の会期で開かれます。
そして、11月18日(土)には、今年度のメイン・アーティストである金氏徹平が、音楽、建築、映画など、ジャンルにとらわれない表現活動を行う同時代のアーティストら11組とコラボレートする、音楽ライブをはじめとした一日限りのフェスティバル「おもフェス」が開催されます。
「おもフェス」の魅力や楽しみどころについて、金氏徹平さんとイベントコーディネーターの山崎伸吾さんにお話を伺いました。
ー初回の2015年は、京都のHAPSで行われていましたね。
金氏:以前より、空間の広さやアーティストの数が増えましたね。自分たちが面白いと思う方々とイベントを作り上げていくという意味では、企画する上での意識は前回と変わっていないですね。手作りでつくっているというか。
山崎:今回参加してくださるアーティストさんは、場所が用意されなくても、どこでも表現できる方ばかりです。また、表現するための手段もたくさん持ち合わせています。アーティストは既に自分を拡張させていますが、実は、それを収納できる場所があるようでないようで・・・。1回目もこの広さで展覧会できるの?という大きさの空間ですし、今回のMASKも面白い空間ですが、倉庫ですしね(笑)。でも逆に、そういう、いわゆる普通でない場所の方が楽しくできるだろうなと想像しています。
ー今回の開催場所が、倉庫であることでイメージが湧いたりされますか?
金氏:まず、単純に広いです!最初は、北加賀屋の街全体でフェスをやろうというアイデアも出ていました。なので、今は、倉庫=町と捉えて、街づくりをしているようなイメージです。倉庫という場所は、外と中の中間のイメージで、むしろ半分外のような場所なので、ストリート感も強く出るのかなと思います。
今年の10月に、KYOTO EXPERIMWNT2017で、『tower (THEATER)』という舞台を行いました。舞台という条件設定の上、人を集めて、まず場を設定して、ものを集めてきて、それを積み上げて組み合わせて、最終的に舞台が完成しました。このやり方って、実は、普段僕が彫刻を制作する際の手法と同じなんです。今回のフェスに置き換えると、今回は広い空間があって、ミュージシャンや色々な人を集めて組み合わさっていくことで、フェスが完成するということ。自分の作品作りとやり方自体は変わらないかもしれないですね。観客も出演者も関わり合りあいながら、最終的にフェスティバルが完成するような場になればと思っています。
ーフェスティバルをつくっていくとは、どういうことでしょうか?
金氏:僕たちがすることは、人が入り込める場所と要素をつくるということです。それをしてしまえば、各々のアーティストがどこかに勝手にハマっていくんですよね。
山崎:それはお客さんに対しても同じことが言えるかもしれないです。サービスが全て用意されていて受け取るだけ、という受動的な態度ではなくて、そこにお客さん自身の時間や居場所みたいなものをつくるという積極的な感覚でいてもらえると、より楽しめると思います。お客さんが関わり合っていける、”余白スペース”みたいなものはたくさん仕掛けておくつもりなので。
金氏:今回は、MASKに置いてある収蔵作品との関係性も重要になってくるかなと思っています。移動や並べ直したりしながら、空間も再構成する予定です。作品展示ステージは用意しますが、ステージのない場所も表現の場所にしようかと。先週の舞台『tower (THEATER)』の舞台設備も背景として活用します。
ーフェスティバルの最中に、新しいクリエイションが生まれそうですね。
金氏:期待しています。アーティストがそれぞれ、本来の得意な分野以外の分野のことをしなければいけない状況をつくると、有機的な繫がりも生まれてきやすいと感じています。なぜか役割りを交換してしまっていたりとかね。例えば、ミュージシャンに俳優をやらせたりだとか、俳優に楽器を持たせたりとか、そういうことです。今回は、MASKの収蔵作品との絡みも出てくると思うのでそこも、おもフェスならではの表現が生まれるのではと思います。単純にミュージシャンがたくさん見られるというイベントではなくて、倉庫の中で起こっている全てのことが、ひとつの固まりとして、フェスティバルとして存在する。こういうイベントは、他にはないのかなと思います。
ー金氏さんの新作も見られますか?
金氏:現在MASKに収蔵されている、北加賀屋の町で集めた木の枝とガス管、パイプを組み合わせてつくった作品を再構成する予定です。また、千鳥文化という旧文化住宅で、部屋を丸ごとつかったインスタレーションを制作します。テーマは、建築物と町を再構成、再解釈するという内容です。こちらも楽しみにしてください。
ー最後に。
山崎:高校生以下は無料で入場いただけます。僕たちが若い頃に体験したような、”こんなの初めて観た!”というような感動を、若い方にもぜひ体験していただけたら嬉しいなと。ジャンルを越境したイベントになると思いますので。普通は、ステージの上やギャラリーで行われるアーティストの表現が、このおもフェスでは、この場全体で瞬間瞬間に行われます。そして、その都度奇跡に変わっていきます。きっと奇跡が起こるフェスティバルになりますよ!出演者によるコラボもあるのでお楽しみに。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
OpenStorage2017 作品関連パフォーマンス
「おもフェス-FESTIVAL OMOIDE-」
【日時】2017年11月18日(土) 14:00~20:00 ※開場は開演の30分前
【会場】MASK [MEGA ART STORAGE KITAKAGAYA]
(大阪市住之江区北加賀屋5-4-48
大阪市営地下鉄四つ橋線/北加賀屋駅4番出口より徒歩10分)
【出演者】
|出演|
金氏徹平
荒木優光
オオルタイチ
Kazumichi Komatsu
空間現代
GTSVL
contact Gonzo
柴田聡子
テニスコーツ
バレーボウイズ
和田晋侍
|SHOP|
・POPCORN PRINT CLUB
・山さきあさ彦
・文九焙煎所
…and more
|入場料|
・前売:2,200円
・当日:2,500円
・Tシャツ付早得割:4,400円(金氏徹平×三重野龍コラボTシャツ)
(※同日開催のKITAKAGAYA FLEAにも入場していただけます。)
▼高校生以下無料▼
全席スタンディング
チケットはPeatixにて販売 http://omofes.peatix.com/
【コーディネーター】山崎伸吾
【企画連携】IN/SECTS KITAKAKAGYA FLEA
【お問い合わせ】一般財団法人 おおさか創造千島財団
〒559-0011 大阪市住之江区北加賀屋2丁目11番8号
TEL 06-6681-6170 / FAX 06-6681-6188
Mail mask@chishimatochi.info