石川直樹 「NEW DIMENSION」

大阪ニコンサロン

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作者は世界中に点在する先史時代の壁画とそこにいたる道程を、およそ6年にわたって撮影してきた。
狩猟生活を基本とする先史時代の人々にとって壁画の中の動物たちは、岩に描かれた絵であることを超えて動物そのものとして機能していた。壁画に向かって何らかの呼びかけを行えば、その獲物は捕獲される。原始社会では目に見える世界と見えない世界のあいだに断絶はなく、神秘を媒介することなしに、石や土偶や壁画と鹿や熊などを直結させることができた。
洞窟や岩壁に絵を描く、あるいは刻みつけるという行為は、皮相な現実を超えた四次元への通路をひらく身ぶりであり、多分に呪術的な意味合いを帯びている。数千年、古くは数万年前に誕生したこれらの壁画群は、目に見えない世界と現実とをつなげる太古の人々の強い意志と、その交渉の過程を示す生々しい痕跡であるといえるのではないか。
作者は壁画を前にして、原初の知覚の一端に触れる。意識の内側にある未踏領域へ注意深く進入しながら、同時にいまそこにある世界の外側へと躍り出ること。太古の壁画は、作者にとってそうした臨界点へ近づくための鍵そのものかもしれない。
カラー90点。

フォトセミナー 10月11日(木)18:00〜19:30

メディア

スケジュール

2007年10月11日 ~ 2007年10月16日

アーティスト

石川直樹

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