「絨毯の糸 - 新収蔵絨毯初公開 - 」展

白鶴美術館

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当館が所蔵する中東絨毯には、羊毛・シルク(絹)・綿や麻などが使われています。なかでも羊毛とシルクは絨毯の画面を構成するパイル(毛羽)糸として多用されています。シルクの繊維には独特の光沢があり繊細な印象を強めますが、絨毯の魅力は素材の力だけではなく、糸の用い方によっても変化します。
絨毯の画が、パイル糸で描かれる点描画のようなものだと気づけば、その太さや長さが画質を左右することは納得のいくことでしょう。羊毛パイルの絨毯のなかでも、防寒などの機能をもたせるために織られた毛足の長い絨毯は、図柄の明確さという点からみると劣ってしまいます。多くの場合、シルク・パイルの毛足は羊毛・パイルより短く作られていますが、もともと長く細いシルクの繊維は、細やかな画を描くのに適した素材でしょう。しかし羊毛・パイルであっても、シルクを凌ぐ画を織り出している絨毯もあるのです。
絨毯を形づくっている糸には、パイル糸を結びつける経糸(たていと)、結び目を挟み込み、経糸とともに絨毯の地をつくっている緯糸(よこいと)があります。パイル糸を支える二種類の糸は絨毯を支える骨格のようなもの。展示ではこれらの糸にもぜひご注目ください。きっと名脇役といえる糸もみつかることでしょう。
さて、今回は初公開となる新収蔵品「マンチェスター・カシャン」の絨毯が登場します。「マンチェスター・カシャン」とは1920年代、英国マンチェスターから入ってきた輸入羊毛を使用したカシャン産の絨毯を示しています。シルクのような光沢をもつ深みのある色調が特徴です。素材のもつ美しさを十分に生かした工房絨毯をご鑑賞ください。

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スケジュール

2013年09月14日 10:00 ~ 2013年12月08日 16:30

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