石川祐樹 「蝶々の心臓」
コリシモ
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心臓病の娘が生まれた。全く予想していないことだった。悲しくて悲しくてどうしようもなかった。毎日泣いていた。ある日妻に言われた。「あなたは自分が可哀想だから泣いているのよ」ハッとした。そうだ、思い描いていた健康な家族、それが手に入れられなかった自分が辛くて泣いていたのだ。こんなんじゃだめだ、と思った。娘の為に何かやろうと思った。医者じゃないので直接治療することはできない。ただ愛を注ごうと思った。それが僕にとっては「写真を撮る」ということだった。その写真がメディアに取り上げられたりするようになった。
娘の心臓は3度の手術によって大きく形を変えられた。たまたま本で読んだ蝶々の心臓の構造と娘の心臓は似通っていた。「蝶々の心臓」今でも口に出すとちょっと悲しい。弱々しくて儚い。でも、儚いからこそ、すぐに壊れてしまいそうだからこそ大事にしてきた。もし、壊れてしまっても、写真は残る。
メディア
スケジュール
2014年09月06日 11:30 ~ 2014年09月28日 18:00