関西のアートシーンってどんなもの?そんな疑問に答える第一歩として、KABでは2014年3月の約1ヶ月間、関西ゆかりのアート関係者に公式Twitterアカウント上でインタビューを行いました。教育・行政関係者、アーティスト、NPO法人スタッフ、アートフェアマネージャー、学芸員、ギャラリスト、インディペンデントキュレーター・・・異なる分野・世代の方にご回答いただき、リアルタイムのやりとりを通して、関西アートシーンの多様な「顔」を垣間見ることができました。
答えていただいた4つの質問ごとに、この度のインタビューで得られた貴重な意見の一部をまとめました。全てのインタビューをご覧になる場合は、下記URLをご参照下さい。
Togetterまとめ:http://togetter.com/t/kansaiartbeat
Q1. 日々欠かさないものといえば何ですか?
まずは日常的な話題からです。一番多かった回答は食生活や睡眠、運動に関するものでした。特に、気功体操など日々の鍛錬への言及もみられました。「身体が資本」には、アートの作り手・支え手の垣根はないようです。さらに、ネット上での情報収集はやはり欠かせません。若手を中心にSNSはもちろん、Googleアラートの機能を活用してアート情報を収集するという意見があげられました。多くのアートイベントが各地で頻繁に行われる今日、情報収集はアート関係者の生命線の1つと言えそうです。
Q2. 2013年中に印象に残ったアート関連の出来事は何ですか?
あいちトリエンナーレや瀬戸内国際芸術祭などを筆頭に、地方で数々のアートイベントが開催された2013年。そこでは多くのアーティストが活躍し、様々な課題は残されているものの、地域に根ざした活動の成果が広く世に示されました。また、大阪を中心としたギャラリーの歴史にとって、昨年は大きな区切りの年となったようです。アートシーンにおいてギャラリーが果たす役割の大きさに改めて気づかされました。作家活動をなさっている方からは自らの作品を発表する上で印象に残ったことなど、普段うかがうことのできないお話も聞かせていただきました。
Q3. 関西エリアで好きな場所を教えて下さい。
今回あがったのは大阪・神戸・京都のいずれかの場所です。特に大阪と京都の場所の性格は対照的に捉えられているようでした。大阪は現代美術のギャラリーめぐりに格好の場所として、中央区や西区を中心に好まれていました。一方で、京都は自然や歴史的な土地柄から安らぎを得ることのできる、自らのアイデンティティーと結びついた場として位置づけられることが多いようです。
Q4. 今後、潤沢な予算があったら何をしたいですか?
一口にアート関係者といってもその夢や野望は千差万別。アーティストとしてワンランク上の作品づくりを目指す一方で展覧会の企画などにも挑戦しようとする意気込みや、独自のレジデンススペース運営のアイデアなど、今後の活動に期待が高まる回答ばかりでした。
また、後進育成への取り組みや、コレクション・資料の整備、文化芸術活動全体を評価する基準の設置といった、アートの土台の見直しや制度的な拡充も強く望まれていました。このような熱意に支えられ、関西のアートシーンはこれからも着実に変化していくこと間違いなしです。
様々な立ち位置から多くの興味深い意見が寄せられた今回のインタビュー。関西のアートシーンに携わる方、一人ひとりの人柄やものの見方の一端をうかがうことができました。言葉の端々からアートに対するそれぞれの思いが生き生きと伝わってきました。
Twitter上のインタビューという初めての試みでしたが、好意的なご意見もたくさんいただき、どうもありがとうございました。これからもKABチーム一同、みなさまの活動にスポットをあてることができるよう全力を尽くしてまいります!本インタビューに際して、ご協力いただいたみなさまへ心から感謝の気持ちと御礼を申し上げます。
[KABインターン]
石田友里:広島県出身。東京藝術大学を卒業後、現在は京都の大学院でネーデルラントの画家について学ぶ。基礎研究を通じて、様々な人が集まって交流し、新たなものづくりが生まれる場そのものに興味を持ようになる。自転車でギャラリーめぐりができる京都のまちが好き。