「大坂のにぎわい 浪花百景」展
頴川美術館
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「浪花百景」は多色刷浮世絵版画による大坂版組物の中で最もよくまとまり、優れたものです。大坂の浮世絵師一養亭芳瀧・南粋亭芳雪・一珠斎国員による合作で安政末期頃の作品といわれています。
本品は江戸の地における北斎・広重による組物風景版画の流行を受け制作されたものですが、古代から水陸交通の要地としてひらけ、淀川を中心とした市中の水路、八百八橋と称された多くの橋が「水の都」大坂をいかんなく表現しています。諸国物資の集積地、商都としての姿も市場や商店、蔵屋敷の場面を生き生きと描き、また市井の人々の生活、四季の行事や風情は情趣豊かに描写され、いずれも当時の大坂の土地と風俗が巧みな表現と構成で再現されています。
【画像:南粋亭芳雪「吉助牡丹盛り」】