「新収品」展

京都国立博物館

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当館では館蔵品の充実を目指し、毎年さまざまな分野の作品を収集しています。本展では、昨年度に購入した作品、寄贈をうけた作品を紹介いたします。
昨年当館は、小説家の澤田ふじ子氏より中国画一二件の寄贈を受けました。なかでも注目すべきは、明の崇禎一三年(1640)に、蘇州の画家、陳箴が描いた鳥花山水図です。
絹本、縱177cm、横91.5cmの大画面いっぱいに、うっすらと雪を被った高山が翼を広げるように聳え立ち、その肩から流れ落ちる滝水は、画面の下辺で渓川となって蛇行します。麓に植わる、葉を落とした双樹の周囲には、竹や広葉の潅木、花咲き誇る梅・椿が寄り添います。画法上、この絵の最も興味深いところは鳥の表現で、樹叢に集う烏・山鵲・鷲・雉は、細密な彩色できわめて写実的に描かれており、背景の水墨淡彩の大山と対照の妙を見せています。
明時代以降の絵画はジャンルごとの分化が進み、山水と花鳥は別々の道を歩みましたが、四季山水図四幅揃いの冬景幅にあたるこの絵は、その再統合を目論んで成功している稀有な例といえます。
ちなみに江戸後期の文人画家、岡田半江(1782〜1846)は、付属する手紙の中で、この絵を鳥花山水と呼び、京都の相国寺第一一五世、維明周奎(1731〜1808)が所持した名幅で、天下無双の絶品、稀世の珍なりと褒めちぎっています。
※平常展示館13、14、17室にて展示

【画像:陳箴筆 「鳥花山水図」京都国立博物館蔵】

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スケジュール

2008年05月21日 ~ 2008年06月22日

アーティスト

陳箴筆

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