佐竹龍蔵 「紙と絵具と絵画」

ギャラリーニア

poster for 佐竹龍蔵 「紙と絵具と絵画」

このイベントは終了しました。

佐竹は、日本画材を用い、点描で画面を構成していくという独自の技法で、透明感のある色彩豊かな画面を表出します。油彩やアクリルのように 直接的に飛び込んでくる鮮やかさは、時として作品の印象を強調しすぎる事もあるのに対し、佐竹の表現における決してヴィヴィッドではない日本画材特有の鮮やかさは、佐竹独自の技法と相まり、趣きや情緒といった極めて日本的な感覚を呼び起こしてくれます。透過性のある岩絵具と平筆を用い、ピクセル状に描かれる細やかな点をいくつものレイヤーで重ねることで、平面 でありながらも奥行きのある画面となり、描かれたモチーフの表情は見る角度によって次々と違う表情、色彩を見せ始めます。

佐竹は主に「こども」を表現のモチーフとし、感情を押し殺したような少し虚ろにも見える表情や、何かに期待を寄せる嬉々としたものを連想させる表情、中でも、特に「目」が印象的であり、全てを見透かすように、じっとこちらを 見つめる眼差しは吸い込まれそうな魅力を放ち、左右で色の違う眼球には「こども」の多面性が込められているかのようです。近年では「こども」 以外にも山や河川といった「風景」をモチーフにした作品も見られ、その二つを共に描いた作品も登場しております。高知県の四万十市を故郷に 持つ佐竹にとって、子供の頃に見た四万十川周辺を思わせる雄大な風景と幼き頃の自分自身の記憶を辿ることで、自身も影響を受けてきた過去 から現在への環境と社会の変化、そして自らを含めた我々大人達が作る未来によって変わらざるを得ない、「こども」達への責務として、より良い未来を 託す象徴として「、こども」を描き続けているのではないでしょうか。前述した後身育成にも注力する佐竹の思いは、鑑賞者にも決して他人事では ない、社会全体の大切な問題として投げかけてくるようであります。

メディア

スケジュール

2013年11月22日 12:00 ~ 2013年12月04日 22:00
11月28日(木曜日)は休廊、最終日は17:00まで

アーティスト

佐竹龍蔵

Facebook

Reviews

All content on this site is © their respective owner(s).
Kansai Art Beat (2004 - 2024) - About - Contact - Privacy - Terms of Use