「ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉」展
国立国際美術館
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ノスタルジーとは郷愁のことです。故郷を懐かしんだり、古き良き時代を思い返したりする心情を表します。しかし、心の中の風景は、しばしば異なった記憶へと置き換えられ、夢と現実とが交錯する空想の世界へと飛躍していきます。 この想像力が生み出す世界をファンタジーと呼ぶことができるでしょう。芸術作品の多くをファンタジーの世界と捉えることも可能です。逆に見れば、ファンタジーの源泉のひとつにノスタルジックなイメージがあるとも言えるわけです。 本展では、現代アートの重要な創作源として、この二つのキーワードに注目し、さまざまなかたちでこのテーマに取り組む、日本の現代美術家 10 組の創作活動を紹介します。 彼らの活動は、過去の記憶に固執する人間の本性に向き合いながら、それを独自のイメージの世界へと昇華させる行為と見ることができるでしょう。 一方で、彼らの作品が見る者を惹きつけるのは、私たち現代を生きる人間の多くが、こうした心情を共有しているからであり、すなわち時代の風潮としての一面でもあると考えられるのではないでしょうか。未知の表現を目指す現代アートと、過去を指向するノスタルジーという心情は、まるで正反対に思われますが、現代という時代性が、この二つを結びつけているように思われます。 本展で紹介する作家たちの個性的な表現活動もまた、一見、脈絡のない個人的領域に属するものに見えますが、ノスタルジーとファンタジーという視点を設定するとき、それらに共通する一つの世界像が見えてくることでしょう。
出展アーティスト: 横尾忠則、北辻良央、柄澤齊、棚田康司、淀川テクニック、須藤由希子、 山本桂輔、小西紀行、小橋陽介、橋爪彩
[関連イベント]
アーティスト連続トークショー「現代美術とノスタルジー最先端の試みをめぐって」
司会進行: 安來正博(国立国際美術館 主任研究員)
会場: 国立国際美術館 地下1階講堂
定員: 130名(当日10:00から整理券を配布します)
参加費: 無料
第1回「郷愁を拾い集める」
日時: 6月7日(土)14:00~
ゲスト: 淀川テクニック
第2回「僕らが見る世界の風景」
日時: 7月5日(土)14:00~
ゲスト: 小西紀行、小橋陽介、山本桂輔
第3回「技法が生み出す小宇宙」
日時: 8月2日(土)14:00~
ゲスト: 須藤由希子、橋爪彩
第4回「彫り出されたイメージの形」
日時: 9月6日(土)14:00~
ゲスト: 棚田康司
ギャラリートーク
日時: 6月21日(土)14:00~ 、8月16日(土)14:00~
会場: 国立国際美術館 地下3階展示室
講師:安來正博(国立国際美術館 主任研究員)
参加費: 無料(要観覧券)
※当日13:30から聴講用ワイヤレス受信機を貸し出します(先着90名)
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