冨士和則「解きほぐす界」

ギャラリーニア

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本展は作家にとって初の個展となり、大小様々な新作を中心に構成されます。展覧会タイトル「解きほぐす界」をはじめ、新作のタイトルには「界」という言葉が多用されており、「対岸の火事」の思想を経て、新たに展開される表現の主題であることが窺えます。「界」とは、【区切り。境。仕切り。】【限られた社会や範囲】といった意味を持ち、冨士にとっての他者や自身の展望との距離を隔てる「界(区切り)」は、外部からの様々な刺激や要因により変化し、自身の意志により如何様にも結び付けることができるものとして捉えております。前述した日本人が持つ宗教的観念、死生観、冨士が述べる「対岸の火事」の思想を経て表現される事で、本展ステイトメントにある「情報の取捨選択をせず、無意識に、行動・思考を外部に誘導され、いつの間にか形骸化」=「死」を意味するといったようにも解釈でき、表現された画面に合点がいく感覚を覚えます。「対岸の火事」のように、傍観者であるうちは、主体性を保持することは困難であり、自らの意志をもって当事者となることで、界(区切り)は解きほぐされ、心許ない足場は、より強固な土台となるのではないでしょうか。冨士は自戒を込めつつ、自らの意志で取捨選択し思考することの重大さ、現代社会の日本が抱える主体性の希薄さに警鐘を鳴らし、画面を通して訴えかけてくるようであります。

[画像]: 界の中の界,1120×1620 mm,キャンバス・油彩,2013

メディア

スケジュール

2014年02月28日 12:00 ~ 2014年03月12日 22:00
最終日は17:00まで

アーティスト

冨士和則

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