Shinji Shimokura "Water Colors"
Gallery Solaris
Schedule
from March 18, 2008 to March 23, 2008
Artist(s)
Reviews
作家の霜倉です。タイトルの『水彩色』は『水』と『彩色』を組み合わせました。『彩色』には彩り、配色するという意味があります。撮影時の被写体『水』には当然色があって、それをモノクロフイルムに記憶させます。プリント時は、被写体の色の記憶をたどって印画紙にモノトーンを配色します。しかし自分の記憶は正確ではなく、自分の持つ潜在的なイメージによる影響を受けます。美しい思い出を本物以上に美化していくのだと思います。自分が美しいと思う『水』の記憶を皆様にご覧いただきたいと思っています。
釣り糸を垂れる合間に、その風景を写真に収めることを始めた。モノクロフイルムをカメラに詰め、水面を撮る。水面は空や木々を映し、流れに淀み、時に風に靡く。一期一会の風景。フイルムには肉眼で捉えることのできない僅かな光が記憶される。私にとって、モノクロ写真を作る作業は、美しい思い出を呼び起こす作業に似ている。心に残る部分だけを切り取り、現実とは違うモノトーンの世界に、自らが持つ潜在的なイメージで配色をしていく。時が経つ程に事実以上に、美しく心に残る思い出のように。そんな記憶が綺麗だと思った。
「水彩色」(すいさいしき)=水の彩り、水に配色する。
話を聞けば聞くほど「職人だなあ」と。
自分の専門が絵画なため、作家自身の技法は滞在の30分ですべてを理解するには足りなかったかもしれないが、技法やそれを使う理由等にひとつ芯があって、話を聞いているだけで引き込まれた。
写真に対する向き方って本当にいろいろあるなあ・・・と。
全てへのこだわり。
ある意味、常軌から外れている気もする。
だから目を奪われる。そういう印象も強く残っている。
また見たいとつくづく思った。