「堺奉行の新資料 - いま描かれる豊かな都市像 - 」展

堺市博物館

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16世紀天下人織田信長は堺を直轄都市とし、天正3(1575)年に初代堺政所に松井友閑を任じました。豊臣秀吉も石田三成たちを堺政所に任じ、堺と河内・和泉の広域を支配させました。徳川家康もそれを継承し、慶長5(1600)年、成瀬正成・米津親勝を堺政所に任命します。天下人から堺に派遣される高官は「堺代官」が正式な名称でしたが、室町時代からの呼び名に従い、「堺政所」と呼ばれていました。最後は「堺奉行」の名称に落ち着きます。江戸時代、上方地域では個別領主支配と幕府広域支配の二種類の支配(司法・行政)が展開していました。個別領主支配とは大名や旗本など領主による個別の領地の支配、幕府広域支配とは領主が誰であるかにかかわらず、幕府の遠国奉行によって行われる支配です。京都や大坂同様に幕府の直轄都市である堺にも奉行が置かれ、都市堺の支配や和泉国の広域支配をおこないました。さて、堺市域には、堺空襲による史料の散佚などによって、堺奉行に関する古文書がほとんど残って居らず、堺市立中央図書館の写本類が唯一の史料となっていました。史料の少なさが堺奉行研究の妨げとなっていたのです。ところが平成18 (2006)年に兵庫県相生市内の民家から旗本若狭野浅野家の資料が偶然発見され、たつの市立龍野歴史文化資料館に収蔵されました。資料の中には正徳元(1711)年から享保14(1729)年まで18年間、24代目の堺奉行を勤めた浅野長恒(あさのながつね・1658~1732)に関する古文書・絵図が含まれていました。長恒は若狭野浅野家の初代、伊勢山田奉行や堺奉行を歴任した旗本でした。古文書のなかには、これまで全く知られていなかった浅野長恒が堺奉行を勤めた時代の江戸時代中期の堺に関する古文書と絵図がまとまって残っていたのです。この新発見によって、江戸時代中期の都市堺についての新しく豊かな歴史像が描かれる機会が生まれました。本展では、たつの市立龍野歴史文化資料館蔵の若狭野浅野家資料のうち、堺奉行関係を借用し一堂に展示します。若狭野浅野家資料は、約280年ぶりに堺に里帰りをすることになります。江戸時代中期の貴重な資料をご覧いただければと存じます。

[関連イベント]
講演会「江戸幕府の上方治水政策と堺奉行」
日時: 12月8日(日)14:00 - 15:30
会場: 当館地階 博物館ホール
講師: 大阪大学大学院教授 村田路人氏
参加方法: 事前申し込み不要。直接会場へお越しください。

学芸講座「堺奉行新資料発見の衝撃と意義」
日時: 11月24日(日)14:00 - 15:30
会場: 当館地階 博物館ホール
講師: 当館学芸員 矢内一磨
参加方法: 事前申し込み不要。直接会場へお越しください。

展示品解説
日時: 10月27日(日)14:00 - 14:30
会場: 特別企画展会場
講師: 当館学芸員
参加方法: 事前申し込み不要。直接会場へお越しください。

メディア

スケジュール

2013年10月26日 9:30 ~ 2013年12月15日 17:15

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