KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2016 Circle of Life いのちの環

5月22日まで開催。京都巡りも合わせて楽しみたい、国際的なフォトフェスティバル。

poster for Sarah Moon “Late Fall”

サラ・ムーン 「Late Fall」

京都市中京区エリアにある
ギャラリーSUGATAにて
このイベントは終了しました。 - (2016-04-23 - 2016-05-22)

poster for Chris Jordan + Jurgen Lehl

クリス・ジョーダン+ヨーガン・レール

京都市中京区エリアにある
誉田屋源兵衛にて
このイベントは終了しました。 - (2016-04-23 - 2016-05-22)

poster for Coming into Fashion - A Century of Photography at Conde Nast

「コンデナスト社のファッション写真でみる100年 」

京都市左京区エリアにある
京都市美術館にて
このイベントは終了しました。 - (2016-04-23 - 2016-05-22)

poster for The First Hour

うまれて1時間のぼくたち

京都市中京区エリアにある
堀川御池ギャラリーにて
このイベントは終了しました。 - (2016-04-23 - 2016-05-22)

In フォトレポート by Chiaki Ogura 2016-05-15

京都を舞台に開催されている国際的なフォトフェスティバル「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」。もう行かれた方も多いのではないでしょうか?世界を舞台に活躍する作家の作品や写真コレクションが、歴史的建造物や寺院などの京都ならではの空間の中で観覧できるのも魅力のひとつ。中には、この機会しか入れない場所もあります。各所に点在するスポットを効率よく回りたい!そんなあなたのために、エリアごとに分けておすすめ作品を紹介していきます。

MAPはコチラからダウンロードできます!

二条城〜烏丸御池エリア

■堀川御池ギャラリー1階
 「うまれて一時間のぼくたち/ティエリー・ブエット」

堀川御池ギャラリーは、「城巽学区」の小学校跡地に建つ市民開放型ギャラリースペースです。生まれて一時間以内の新生児の写真が展示されています。舌を出したり、くしゃくしゃの泣き顔だったりの新生児の表情は豊かで、まるで大人のようにも見えます。撮影場所は、パリ郊外の産婦人科。ティエリー・ブエットの娘さんが生まれた病院でもあります。また、不妊治療を行っている病院のため、ほとんどの新生児は体外受精などの特別な方法で生まれているそう。奇跡を捉えた生命の観察といえるかもしれません。展示空間は円型になっており、写真が展示されている空間は、自分がまだ生まれる前のお腹の中にいた頃の感覚すら覚えます。

■ギャラリー素形
 「Late Fall/サラ・ムーン」

モデルとして活躍する傍ら、1970年代にファッションや広告の分野で写真家としてのキャリアをスタートさせたサラ・ムーン。鳥や花、果実などが大型プリントの作品として姿を変えて展示されています。壊れた鏡を通してシャッターを押して撮られた写真は、デジタルのシャープさが省かれ、まるで絵画のような風合い。ギャラリー素形は、呉服問屋が連なる室町通にあり、かつてはまさに呉服問屋の店舗だった場所。展示室は暗く、最初は写真が認識できない状態が続きますが、5分程すると目が慣れてきて写真が浮かび上がって見えてきます。この待ち時間自体をぜひ面白がって体験してもらいたいとサラ・ムーンは話します。

■誉田屋源兵衛 黒蔵
 「Midway:環流からのメッセージ/クリス・ジョーダン+ヨーガン・レール」

呉服商がたちならぶ室町通にある帯匠である、誉田屋源兵衛。敷地の奥にある「黒蔵」で展示は行われています。クリス・ジョーダンは、太平洋の真ん中に浮かぶミッドウェイ諸島に漂流するアホウドリの雛の死骸を撮影。腹部からプラスチックゴミやペットボトルキャップが露出した様子が生々しく写された写真は、現代文明の暗い裏側を表しています。同じ現状に問題意識を持つ、デザイナーのヨーガン・レールが制作したプラスチックゴミ製ランプの展示も併設されています。

祇園四条駅エリア

■両足院(建仁寺内)
 「YKSI: Mouth of the River, Snake in the Water, Bones of the Earth/アルノ・ラファエル・ミンキネン」

京都最古の禅寺でもある建仁寺。両足院は初夏に咲く美しい「半夏生」で有名ですね。ミンネキンが背中をうずくまり岩と化したり、樹々の枝や幹と一帯となったりするセルフポートレートは、背景の撮影スポットと相まって、写真の幻想性を体現しています。また、「河口、水に注ぐ蛇、大地の骨」という3つのテーマは、作家自身の人生そのものを重ね合わせています。

平安神宮・岡崎公園エリア

■京都市美術館別館 1階
 「Coming into Fashion − A Century of Photography at Condé Nast コンデナスト社のファッション写真でみる100年 presented by CHANEL NEXUS HALL」

京都市美術館は、東京都美術館に次ぐ公立美術館として1993年に設立されたもの。裏手には、小川治兵衛による庭園も広がっています。ファッション写真をアートの領域に高めることに成功したコンデナスト社。ファッション誌Vogue、Vanity Fair、Glamourなどの雑誌を通して、100年以上に渡って名だたる写真家の名作によってファッション写真の傑作を世に送り出してきました。1920年〜2000年まで、4つの時代にわけてファッション写真の変遷がわかりやすく展示されています。当時はファッションモデルという仕事が成り立っていなかったため、ダンサーやブロードウェイ役者が被写体として選ばれていた時代もあったそうです。

■京都市美術館別館 2階
 「PLANKTON 漂流する生命の起源 supported by BMW /クリスチャン・サルデ:写真・映像、高谷史郎:インスタレーション、坂本龍一:サウンド」

35億年前に現れたプランクトンは、生命の起源ともいえるでしょう。このプランクトンの美しさや多様性を顕微鏡写真や映像を通して、世界に発信しているのは、生物学者であり作家でもあるクリスチャン・サルデ。日本の下田で取り下ろした最新作やマイクロプラスティックの問題に触れた作品も出展されています。映像作家の高谷史郎による展示インスタレーションと、音楽家の坂本龍一が手がけたサウンドのコラボレーションも見所です。

京都大学エリア

■招喜庵(重森三玲旧宅主屋部)
 「Time Stands Still/サラ・ムーン」

写真家であり、映像作家でもあるサラ・ムーン。水平線をモノクロームで捉えたこのシリーズは、ムーンがはじめてプラチナプリントを試みたものです。繊細な土佐和紙に印画されており、彼女の緻密な世界観がさらに際立っています。また、招喜庵は、日本を代表する昭和の作庭家、重森三玲の旧宅・主屋部分にあたります。東側の書院庭園部分は「重森三玲庭園美術館」として開かれています。ぜひ合わせてご覧になってくださいね。

他にも、KYOTOGRAPHIE サテライトイベントである、「KG+」というこれから活躍が期待される写真家やキュレーターの発掘と支援を目的に、30の展覧会が京都各地で開催されています。こちらも、開催した2013年以降、毎年好評の企画。ぜひ合わせて一緒に巡ってみてくださいね。

KG+のMAP

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KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2016

会期: 2016年 4月23日(土) – 5月22日(日)
主催: KYOTOGRAPHIE 実行委員会
共催: 京都市、京都市教育委員会
開館時間、 休館日:会場によりそれぞれ違いますのでご注意下さい。(各会場入場は閉館の30分前まで)
料金:一般パスポート 3,200円。チケットとパスポートは有料会場にて販売(15を除く)/各会場1回のみ有効/中学生以下は全会場無料(4b 立命館大学国際平和ミュージアム、15、何必館・京都現代美術館 以外)〉

Chiaki Ogura

Chiaki Ogura . 岡山県出身。広告代理店・広報部にて勤め、現在はフリーライター・フォトグラファーとして活動中。ジャンルは幅広く、雑誌やWEB媒体などで執筆。ベンシャーンやアンディ・ウォーホルに感銘を受け、アートの世界に。ギャラリーや美術館の空間をこよなく愛する。作品を目の前にしたときの、右脳がぐらっと動かされる感覚がたまらない。comocomo.cafe ≫ 他の記事

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