遠藤知有 「南米コロンビア空の下」

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2004年、作者は初めてコロンビア第2の都市メデジンの友人を訪ねて、旅をした。外務省の外国渡航案内では、同国は麻薬、殺人、ゲリラ、誘拐が国を揺さぶる内乱状態で危険地帯に指定されていた。しかし入国してみると人々は温厚で親切だった。現地の友人から紹介された孤児院、敬老ホーム、葬儀等を通して、人々の生活の一面を撮影したいと思ったが、街の中をカメラを持って歩くと、いつも警察官に “危険なのでカメラを鞄にしまうように”と言われた。事実、若い女性が強盗にあっているのに遭遇したが、何もできず、助けることができなかった。特にここでは、東洋人を見るのが本当に稀なことで、まず道で出会うことはない。カメラを一般市民に向けることが、いかに危険な行為であるかが分かる。相手も作者を見る目は冷たく、鋭いオオカミのようにそのチャンスを狙っていて、レンズを向けるとつねに反射的に顔を背けてしまう異常さであった。
作品は、作者が異邦人として目立つ存在でカメラを向ける異常さと、作者が群衆の冷たい視線の中で撮影を行った葛藤行為の結果である。モノクロ70点。

メディア

スケジュール

2008年03月20日 ~ 2008年03月25日

アーティスト

遠藤知有

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