瀬戸正人「Cesium/Cs-137」
大阪ニコンサロン
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あの日、35㎏のセシウムが地球上に放出され、そのほとんどが福島県内に降り注いだ。チェルノブイリの半分の量だ。放射性物質としてのセシウムは科学的にわかっている。しかし、本当の正体、自然や人体に対する影響はよくわかっていない。
福島の人たちは、このセシウムを雪になぞらえて眺めている。線量が高いホットスポットが、道端に残る雪のようだと言う。作者は、福島の山や森に分け入って、眼に見えないこのやっかいなセシウムを写真に写そうと試みている。あくまでこれはそのイメージに過ぎないが、そこかしこにへばり付いているであろうセシウムを写真として可視化したいと思っている。思いのほか、福島の自然がこんなにも美しく、美しいゆえに切ない。見てはならないモノを見てしまったという思いもある。
関係者以外、向こう30年は立ち入ることのできない福島第一原発の敷地内に立った時、すぐそこの波打ち際から水平線まで、太平洋は何もなかったかのように青々とうねっていた。モノクロ20点。
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スケジュール
2013年11月07日 10:30 ~ 2013年11月13日 18:30
最終日は15:00まで