「絹糸で描いた刺繍絵画の世界」展

清水三年坂美術館

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明治時代、京都を中心に絹糸の刺繍で描かれた絵画作品が大量に作られていた事を知る人は少ない。当時の日本は先進諸外国から新しい技術を導入する為、外貨の獲得が急務であった。工業製品を持たない日本の輸出商品の中心は蒔絵、金工、陶磁器、七宝などの工芸品であったが、その中に刺繍絵画も含まれていた。特に京都では西村總左衛門(千總)や飯田新七(高島屋)ら呉服商が中心となり、大規模に輸出を行なっていた。彼らは岸竹堂、今尾景年、竹内栖鳳ら京都画壇の画家達に依頼した下絵を元に、さまざまな色に染められた絹糸を用いて一針一針刺繍を施し、精緻な絵画作品を制作した。絹糸の持つ独特の輝きは絵具で描いた絵画とは全く異なった質感を生み、見る人を魅了した。それらの作品は造営中の明治宮殿にもいち早く導入され、宮殿の壁や部屋を飾った。欧米の王侯貴族達の間でもその質の高さと美しさが評判になり、多くの作品が欧米の宮殿に納められたが、残念な事に紫外線による退色や虫喰いなどが原因で多くの作品が消失してしまい、よい状態で現存する作品はごく僅かである。
今展では、昨年末にイギリスのアシュモレアン美術館でも紹介された作品を含め、欧米より里帰りした名品を展示する。

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スケジュール

2013年08月23日 10:00 ~ 2013年11月17日 17:00

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