庄治政「海岸表通り」

オリンパスギャラリー大阪

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作品の舞台は瀬戸内海に面している播磨灘の一部分である。それは作者が 25年間居住しているところでもある。見飽きた日常の風景である。何も感じることもなく思うこともなく生活の時間は過ぎていく。そんな平凡な地域であるが近くに県立考古博物館が建設された。ある日その博物館へ見学に行った。縄文時代の遺跡が発見されて50年とのこと。中学生が発見したという。歳月をたどれば表面だけでは捉えることの出来ない歴史が刻まれている。歴史といえば温暖で静かな海辺の環境は漁業や農業だけに貢献したのではなく、近代化を急いだ重工業への貢献も見逃すことは出来ない。むしろ重要な役割を果たしたと言える。製鉄や造船は周辺の環境を大きく変えた。それは生活様式を変えてしまったことを意味している。海辺はほとんどがコンクリートの岸壁に作り変えられ、自然の姿は失われていった。自然災害を防ぐためではなく生産のための都合によるものである。その姿は昭和の時代の象徴でもあった。前半は軍事大国への道であったし後半は経済成長のシンボルでもあった。平成になってようやくその慌しい変化も落ち着いてきたようだ。刺激的な出来事がなくても間違いなく時は刻んでいるし、新たな風景へと変化を遂げているはずである。そのわずかな瞬間を観察してみた。

メディア

スケジュール

2014年03月06日 10:00 ~ 2014年03月12日 18:00

アーティスト

庄治政

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