「松 - 美と徳の造形 - 」展

黒川古文化研究所

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松は冬でも緑を保つことから、東洋においては高潔さの象徴とされ、長寿・繁栄の吉祥ともされてきました。その起源は古く、『詩経』、『論語』などの中国古代の古典にまで遡ります。六朝時代には、高節の士が松に喩えられ、人物画の背景にも描かれるようになりました。唐代になると、岩とともに描く松石図が流行し、豊かに茂る唐風の松が成立します。その表現は日本にも伝えられ、やまと絵や、和鏡の蓬莱文様などに受け継がれていきました。宋代には水墨技法を基調とした瀟洒な枝振りが好まれ、室町水墨画にはその影響が顕著にみられます。また、元以降に盛んになる文人画では、描き手の精神が筆墨に発露された様々な松が描かれていきます。わが国でも松は古来、和歌に盛んに詠まれ、富士とともに描かれる三保の松原、高砂図に配される相生の松など、芸術との関わりは尽きることがありません。このように日頃から接する機会の多いモチーフにも関わらず、それらに込められた意味や由来が紹介されることは必ずしも多くないように思います。本展は、関西の三館が連携し、松竹梅から1つずつテーマを選んで関連作品を陳列する「松・竹・梅」展の一環で、松の様々な造形と意味をご紹介します。日頃見慣れた松の姿に、古代より脈々と受け継がれてきた東洋文化の豊かな伝統を実感していただければ幸いです。

[関連イベント]
鑑賞講座「中国絵画の松 - 描法変遷からみえるもの - 」
日時: 5月3日(土)13:30〜
会場: 黒川古文化研究所講演室
講師: 竹浪遠(黒川古文化研究所研究員)
参加費: 無料

鑑賞講座「松に込めたおもい - 江戸時代の絵画 - 」
日時: 5月10日(土)13:30〜
会場: 黒川古文化研究所講演室
講師: 杉本欣久(黒川古文化研究所研究員)
参加費: 無料

鑑賞講座「日本における松文様の全体像」
日時: 5月17日(土)13:30〜
会場: 黒川古文化研究所講演室
講師: 川見典久(黒川古文化研究所研究員)
参加費: 無料
※詳細は公式ホームページをご確認下さい。

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スケジュール

2014年04月19日 10:00 ~ 2014年05月18日 16:00

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