「ドーミエどーみる? しりあがり寿の場合」展
伊丹市立美術館
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諷刺画で知られる伊丹市立美術館において、19世紀フランスの画家オノレ・ドーミエ(1808-1879)のコレクションは大きな柱のひとつです。ドーミエは、近代化とともに新しい都市へと様変わりするパリの相貌を活写し、ドガやロートレックなど後進の画家に影響を与えました。洋梨姿の国王に、戯画化された政治家の面々、ロベール・マケールやラタポワールといった架空のキャラクター、あるいはパリの風俗や市井の人々の喜怒哀楽など、まるで芝居のワンシーンやスナップ写真のように、ときに辛辣で、ときに愛すべき日常劇がそこから立ち現れてきます。こうしたドーミエの魅力を再考する試みとして、独特のユーモアで現代の世相を鋭く表現する漫画家・しりあがり寿(1958- )が招かれ、伊丹市立美術館のドーミエ・コレクションを基に作品を制作しました。対象の特徴を瞬時に捉える観察眼と躍動感あふれる描写力では、ドーミエに勝るとも劣らない才をもつしりあがりの目にドーミエ作品はどのように映るでしょうか。そしてどのような出会いの化学変化が生まれるでしょうか。ドーミエの珠玉の作品とともにしりあがり流諷刺画を楽しむことができます。